〇九州から四国への移動時間中の学び
前夜の夜遅く関門海峡を渡って小倉入りした私は、小倉から30分ばかり離れた行橋での講演が終わると、主催者に用意してもらったタクシーで行橋駅まで出ました。大分・別府から到着した12時23分発の特急ソニック26号に乗り、僅か15分で小倉へ到着、9分しか乗り継ぎ時間がないホームを足早に新幹線改札口まで行き、12時47分発のJR新幹線のぞみ32号に乗り、関門海峡の下トンネルをくぐって、これまた僅か18分で山頭火のふるさと新山口へあっという間に着きました。
新幹線のぞみの自由席は1号車から3号車でしたが、私の座った3号車2番の席の前には、「ついていきたいと思われるリーダーになる51の考え方」という、元スターバックスコーヒー株CEO岩田松雄さんの本の一部が紹介されていました。僅か18分の車内で、なるほどと思いながらコートも脱がず背中の荷物も降ろさず、紙片に殴り書きのようにしてメモを取りました。この本は13万部を売り上げベストセラーになったそうです。
1、「どうして自分がリーダーに?」でまったくかまわない。
2、人を動かす前にまず自分を動かせ
3、リーダーが発するべきは「ミッション」
4、判断は必ずしもスピーディでなくていい
5、部下は上司の人間性をこそ見ている
6、挫折の経験が人の痛みを想像できる人にする
7、権力の恐ろしさを理解しておく
8、トイレに行く姿まで常に見られているという意識
9、言葉ひとつで部下のやる気は変わる
新山口でこれまた6分の短い乗り継ぎ時間を、急いで4番線ホームまで走りJR山陽本線岩国行き、各駅停車14時21分発の列車にやっとの思いで乗りました。車内は空き席が目立つほど空いていましたが、私が座った席はお年寄りや体の弱い人が座る優先席でした。ふと気がつけば私もシルバー割引を受けられる68歳という初老の身なので、納得しながら胸を張って座りました。事務局長さんが持たせてくれたとても美味しい握り寿司弁当を頬張りながら、持参していた「大学・中庸」という、浜田さんから貰ったポケットサイズの本を読みながら、1時間22分の列車の旅を楽しみました。
柳井港に14時32分に到着、わずか8分という乗り継ぎ時間のため高架橋を走り降り、国道の点滅信号もボタンを押して待たぬまま、車が途切れたことをいいことに他の人に混じって渡り、切符売り場で乗船券を買い求め、防予汽船に乗り本州を離れました。柳井港から三津浜までは2時間半の道中です。広い座敷船室は私一人で、衛星放送番組を何げなく見ました。これが南米コロンビア沖の太平洋上にに浮かぶ周囲100mという小さな島に1200人が暮らす、世界一人口密度の高いイスロテ島の話題で、人間いかに生きるかといった意味で、大いに参考になる番組でした。この話は明日にでもブログで紹介したいと思っています。
山口県と愛媛県の海の上の県境を越えたころ、夕日に輝く瀬戸内海の島々が目に映りました。二神島や思いで多い由利島、そして西瀬戸に沈む綺麗な夕日を見ながら17時10分に三津浜港に着き、置いていた自家用車で自宅まで帰りました。書斎に入ると私宛の少し大きめの封書が届いていました。長い間ご無沙汰している栃木県那須塩原に住む阿久津一志さんから、自著本「職人を教え・鍛え・育てるしつけはこうしなさい!」という本のプレゼントでした。この話も後日ブログで紹介したいと思います。
昨日の午後は、九州福岡での講演のための移動時間でしたが、わが親父が「勉強は学校へ行かずともできる」と口癖のようにいっていたことを地で行くような、考えさせられた大きな学びの場となりました。学びの心がけはこれからも大事にしたいものです。
「乗り物を 乗り継ぎながら そこここで 色々学ぶ これも意義あり」
「わが親父 学校行かずも 学べると 常々俺に 諭していたな」
「青春を たぎらせやった 無人島 今はダッシュに 奪われている」
「ああ綺麗 航跡はるか 島影に 美し夕日 余韻残して」