人間牧場

○家族で金環日食を見る

 

雲の切れ間に見える日食

 私の住んでいる四国愛媛県伊予市双海町では、前日の夜から雨が降っていて、金環日食を見れないだろうとすっかり諦めていました。いつものように朝4時に起床して書斎の窓から外を眺めても、窓から見える明け行く空は、相変わらず曇っていました。仕方なく6時半からダイニングで新聞を読みながら食事を取っていると、7時ころ息子が少し興奮気味に私や家族に、「金環日食が見え出したので早く外に出て」と呼びに来ました。食事を一時中断して玄関先の庭に出て空を見上げると、うす曇の空の彼方に少し欠け始めた太陽が肉眼で見えました。息子は目を焼くから直接見ないようにと、特殊なフィルター付きのメガネを用意していて、みんなで代わる代わるかけて空を見上げました。

妻と一緒に

 うす曇が幸いして金環日食か部分日食かも分からぬまま、家族みんなでワイワイガヤガヤ言いながら天体ショーを楽しみましたが、塀の外に見えるご近所で空を見上げて金環日食を見ている人は皆無で、馬鹿騒ぎをしているわが家が恥ずかしいほどでした。
 私はデジカメを用意して何枚か、世紀の一瞬を写真に収めようとしましたが、簡易な私のデジカメでは多分写らないだろうと諦めつつ最大ズームにして何枚か試みましたが、綺麗には写らなかったものの、まあ何とか様子だけは撮れたようで、撮ったばかりのデジカメの写真を家族に見せながら、20分ばかり過ごしました。孫たちもメガネをかけて見えにくい日食を見ていましたが、そのうち飽きてむしろ私のデジカメの写真の方に興味を示し、「見せて見せて」とせがみました。

 

本当はこう見えるのです

 日本で金環日食が見られたのは沖縄以来26年ぶり、県内では767年ぶりといいますから、沖縄へ見に行った人以外金環日食を見た県民はいないのです。金環日食は太陽と地球の間を月が横切り、中心部を月に隠された太陽の輪郭がリング状に見える天体現象です。太陽と月の見かけの大きさはほぼ同じで、月が完全に太陽を隠した場合は皆既日食といいますが、月が遠くにあるときは太陽の淵が隠れずにリング状になるのだそうです。皆既日食とは違って、太陽が眩しいままのため、直視すると目を傷める危険性があるそうで、インターネットやデパートなどでは早くから、専用のメガネを販売しているようでした。子どものころはそんな道具もなく、板ガラスにローソクですすをつけてみたような記憶が残っています。
 県内で次に金環日食が見られるのは83年後だとか。多分ではなく絶対生きていないので、昨日が見納めです。息子に感謝の朝でした。

  「お父さん 早く早くと せかされて 庭先に出て 金環日食見る」

  「デジカメで 記録記憶に 留めたる 金環日食 ラッキーでした」

  「口開けて 家族全員 空仰ぐ 金環日食 幸運予感」

  「天文は いまだ不思議な 事ばかり 金環何故に 凡人私」

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