○花束を貰うなんて
昨日は節分でしたが夕方豆まきをする暇もなく、今治市菊間町から夜の集会での講演を頼まれていたので、夕闇迫る海岸国道196号線を走り菊間町を目指しました。館長さんの電話での話によると、2月3日は厄除けのお寺として知られる菊間町にある遍照院の縁日で、周辺の道路が交通渋滞をするかも知れないというので、海沿いにある海賊うどん屋付近で午後6時に待ち合わせし、裏道である農面道路を走ろうという相談が出来ていたのです。私は午後5時40分にうどん屋の前に到着しましたが、館長さんは既に田舎のオープンカーで到着して車の中で待っていました。
聞けば昨日の寒さの影響でしょうか、多少平常よりは車の交通量が多いものの混雑するほどではないと判断し、そのまま遍照院の前を館長さんの車について走りました。遍照院付近では交通整理をするガードマンが道沿いに何人も立って交通整理をしたり、境内周辺には出店も出て裸電球の光が鈍く光っていました。
太陽石油のコンビナートを通り過ぎ、旧大西町はもうそこという所に目的地の亀岡公民館はありました。特急しおかぜに乗って岡山や高松へ行く時、列車が対向するため時々止まる亀岡駅の直ぐ裏なので、列車の停車や発車する音が、案内された公民館の応接室の中まで時折聞こえてきました。
教養部長さんや館長さんたちと開会までお茶を飲みながら雑談に耽りました。夕食をとっていなかったため、少し小腹が空いて出されたお茶請けの美味しいロールケーキまで食べてしまいました。やがて何人もの顔見知りの方が応接室にごあいさつに見えられ、中には市会議員で私の町の上田さんを知っている人まで来られました。
昨日は沖縄を除いて日本中の県庁所在地は全て氷点下以下という珍しい大寒波に見舞われ、日本列島がまるで冷蔵庫の中に入っているような寒い日でしたが、会場の席は満席で、暖房に加え幾つかのストーブが用意されていたため、演台で立って話をするとまるで汗ばむほどの暖かさでした。昨日のテーマは「まちづくりと子育て」という少し難しいタイトルでしたが、持ち前の持論を熱弁で話しました。反応もよくあっという間に90分を終えました。
講演と質疑が終って講師席に戻ると、立派な花束を贈られました。今年になって始めてのサプライズに多少照れましたが、講演をしてくれた人に花束を贈ろうなんて、粋なことを考えて花束を用意した人は、一体どなたのでしょう。そのことを考えるともう舞い上がってしまいました。
寒い夜道を1時間半かけて走り、午後10時30分自宅に帰りましたが、玄関先へ迎えに出た妻は花束を持って帰った私を見て驚き、「明日の朝ご好意を玄関先に飾ろうね」と言ってくれました。長年講演等で各地の集会を訪ねると、懐かしい人に再会したり、その後お手紙をいただいてお付き合いしたり、また縁もゆかりもないのに、特産品を送っていただいたりすることがあります。花束をいただくこともたまにありますが、やはり嬉しいものです。
私のささやかな話でも聞きに来てくれる人がいるし、熱心にメモを取る人だっているのです。その人たちのためにも更なる研鑽を積んで、いいお話が出来るようにしなければと、進化の誓いを新たにした夜でした。
「花束を 美女から贈られ 舞い上がる 年甲斐もなく 顔を赤らめ」
「誰だろう? 粋な計らい する人は 思い巡らせ ほのぼの帰る」
「節分に 厄除け飾り 飾ったが 早速縁起 舞い込み福が」
「厄除けの 寺前通る 車中にて こころで祈る 家族安全」