〇藁細工の鶴と亀
昨日の夕方、「せいよ再発見」地域づくりグランプリの審査のためのプレゼンテーションがあったので、審査のため西予市へ出かけました。西予市は県内でも一・二を争う広い面積を持ち、海抜ゼロメートルの海岸部から高知県境山間地まで高低さのある街です。この事業の一年目はまつり、二年目は食べ物、三年目の今年のテーマは活動なのです。既に応募のあった23事例の書類審査と一次審査を終え、昨日は二次審査のためのプレゼンテーションなのです。審査員はまちづくり支援えひめの前田さんと愛媛新聞社の門田さん、それに人間牧場主の私の3人です。今回の審査は参加団体代表も評点に参加できるよう配慮がされた公開審査なのです。
審査員の中で年齢が一番高い私が、互選によって審査委員長に選ばれていて、すっかり忘れていましたが、企画調整課長さんい続いて審査委員長のあいさつまであり、お見合いの話を引き合いに出しながら、相変わらずアドリブで思わず吹き出しそうなずっこけたあいさつをしてしまいました。
発表は各団体7分、質問時間5分で、パソコンを使って発表が始まりましたが、タイムキーパーの三好さんが鳴らす予鈴、本鈴の鐘もどこ吹く風で、まあこれも余興とばかりに11団体の発表が終ったのは午後8時30分でした。発表に要した時間は2時間30分ながら、地域特性5点、自立性5点、チャレンジ性5点、活動内容5点、総合評価10点、総点30点をその都度採点するのですが、聞けば聞くほど活動の内容は奥が深く、甲乙付け難く頭を悩ませました。発表者の中には知り人も沢山いて、目が合う度に思わず目を伏せたりしました。
集計の結果発表は来年1月末に野村町乙亥会館で行なわれる表彰式を兼ねたシンポジウムまでお預けのようですが、グランプリに輝けば10万円、準グランプリ5万円、審査委員特別賞3万円の賞金が出るものですから、審査結果が気になるところです。
帰り際、宇和わらぐろの会の上甲会長さんから珍しくて見事な出来栄えの藁細工をいただきました。鶴と亀なのですがこの置物を作るのにどれほどな手間隙をかけたことでしょう。名人芸とも思われるこれらの腕技手業はお百姓さんの真骨頂を見る思いがしました。一緒にいただいた注連縄飾りも見事で、この3点セットはわが家の海の資料館「海舟館」に収蔵しておきたいと思いました。
宇和盆地の田圃のあちこちに見られたわらぐろも、コンバインの普及で次第にその姿を消そうとしています。これも時代の流れでしょうが、上甲さんたちの技と思いを受け継いでくれる人の出現を心待ちにしているものの、残念ながら厳しいようです。
それにしてもさすが文化の里西予市です。この3年間で見聞きしたまつり、食、活動はとても素晴らしいもので、目を見張るものばかりでした。暇ができたら願わくばこれらの事例路見聞きしに、行脚をしたいと思っています。
帰り際審査員に配られたわらぐろの形をしたスイーツを美味しく食べました。スイーツを食べたから審査に手心を加えるようなことはしませんでしたので、もうし添えておきます。(笑い)
「審査会 十一団体 競い合う 予鈴ベルなど 無視して喋る」
「スイーツを 配られ食べる 様子見て わらぐろならぬ 腹黒詮索」
「端々で 元気活動 息づいて 頼もしきかな 西予の街は」
「手土産に 貰った鶴亀 藁細工 感心しきり 手に取り見つめ」