人間牧場

〇乙亥大相撲で横綱白鵬を見ました

 「乙亥相撲を見に来ませんか」というメッセージと共に、私の元へ2枚のチケットが送られてきたのは、一年納めの大相撲九州場所の最中でした。平日の29日・30日なので誘う人も限られていて、さてどうしたものかとない頭で思案しました。結局行き着くところ小番頭の松本さんに「休みを取って久しぶりにリフレッシュしよう」と言葉巧みに誘って、了解を取り付けました。私も30日なら何とか大丈夫だし、30日の夜にはものづくり文明機構のシンポジウムの反省会に松本さんと同席する予定もあって、招待券が自由席なのでいい席を確保しようと、わが家を午前7時に出発する約束をしました。
 午前7時きっかりに松本さんはわが家まで迎えに来てくれました。松本さんのプリウスに同乗し、内子経由で西予市野村町を目指しました。山が深くなるにしたがって沿道から見える山々は晩秋の紅葉に彩られ、目と心を存分に楽しませてくれました。松本さんとは毎日のように会っているのに積もる話も沢山あって、話し足らないほど色々と話しました。

 

中学生の前相撲

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゆっくりのんびり走っても1時間余りで野村町の中心部に入りました。道の沿道には乙亥相撲のために数本の相撲幟が立てられ雰囲気を盛り上げていました。両国国技館を模して造ったという乙亥会館に着くと、見覚えのある市役所の沖本さんたちが交通整理をしていて、「招待客」待遇の駐車場へ案内してくれました。チケットを切って会館内に入りましたが、大相撲を彷彿するようなつり屋根天井から土俵がカクテル光線に照らされ、迫力満点です。正面自由席の前列2番目に場所を確保し、既に取り組みの始まっていた中学生の相撲を見学しました。相撲の盛んな地域らしく地元の中学生が次々に登場し、熱戦が展開され、私たちも地元の人の声援に混じって、時には拍手を、時には声援を送って存分に相撲を楽しみました。

呼び出し卓郎さん

 

 

 

 

 

 

 

 

 私たちの目当ては何といっても先の九州場所千秋楽で、把瑠都に破れて全勝優勝こそ逸したものの、堂々優勝した白鵬関を一目見ることでした。その時間は午前11時なので、少しの間時間待ちをしました。その間私たちと同じように白鵬関を一目見ようと大勢のファンが詰めかけ、会場には「満員御礼」の貼り紙が四方の壁に貼られました。
 大きな白鵬関の座布団が運び込まれ、やがて呼び出し卓郎さんの打ち鳴らす拍子木の音に続いて、澄んだ「白鵬~白鵬~」という呼び出し声に促されて、東口入場門から白鵬が出てきました。端正なマスク、ピンク色のしなやかそうな体、まさに理想的な大横綱の風格です。鳴り止まぬ大きな拍手と声援に迎えられ、館内のボルテージは一気に高まりました。稚児の土俵入りは土俵下に準備した20人余りの稚児たちが次々に白鵬関に抱き抱えられ、土俵の上で四股を踏むのです。稚児の中には泣き出す子もいて、それも愛嬌とばかりに「ヨイショ~ヨイショ~」と大きな歓声が爆笑と共に起こりました。

 

横綱白鵬の稚児土俵入り

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 白鵬の稚児土俵入りが終ったところで私たちは外に出ました。地元出身元関脇の玉春日が親方を務める片男波部屋の味と思しき、ちゃんこ鍋(一杯300円+白ご飯50円)のチケットを買い求め、屋外テントの下で昼食を取りました。とても美味しい味でした。
 館内では友人の森本先生が審判をしていたり、顔見知りの方々も沢山いて声を掛け合い親交を温めました。
 私が乙亥相撲を見たのはこれが2度目です。20年も前、最初に見たころはまだ会館はできておらず、役場の近くの広場に仮設テントが張られていました。相撲もさることながらその夜は友人の酒井さん宅に泊めてもらい、町内に繰り出しどこ構わず酒を飲み歩いた記憶があるのです。今年160周年という輝かしい伝統を持っている乙亥相撲を見る機会を得て本当によかったと思いました。
 一足早く野村町を出て、五十崎商工会の渡辺さんを訪ね、帰宅途中に内子町立川の成川さんのお店に立ち寄ってみかんを買い求めて交友を温め、一旦帰宅した後松本さんと再び今度は私の車でものづくり文明機構のシンポジウム反省会に参加しました。熱気溢れた10月中旬のシンポ以来の出会いでしたが、楽しいひと時を過ごしました。懇親会終了後松本さんを途中で降ろし、9時半ころに自宅へ帰りました。長い一日でしたが久しぶりにのんびりしたいい一日で、身も心もすっかりリフレッショしました。

  「伝統の 乙亥相撲を 観戦に 友と二人で 山里向かう」

  「大相撲 横綱白鵬 直に見る 稚児抱く姿 惚れ惚れしつつ」

  「百六十年 続く相撲の 中生まる 玉春日関 今はマゲなし」

  「ちゃんこ鍋 美味いもんだと 舌鼓 体ポカポカ 温かなりぬ」   

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