○歴史的・文化的資産を活かしたまちづくり③
昨晩の夜なべ談義の余韻が残る東原しょう舎をバスで出発した私たち一行は、西多久公民館へ向かいました。同じ市内なので15分もすれば会場に到着し、昨日の交流会でお世話になった懐かしい顔々が入り交じる熱烈な歓迎を受けました。
早速少し遅めの朝食をとることにしましたが、メニューは朝粥でした。大きなどんぶりに朝粥と味噌汁、それに大根のふるさとらしくふろふき大根がそれぞれの食卓に上りました。前日夜の交流会の料理は大根のフルコースでしたので、食物繊維のおかげか腹も絶好調で美味しくいただきました。添え物として出された大きな梅干も野菜の漬物も全て美味しく、手作りの味を堪能させてもらいました。
この日はこの地区の特産品である女山大根の品評会があるらしく、会場の一室にはいずれ劣らぬ自慢の大根が持ち込まれていました。私も旅の記念に一枚写してもらいましたが、まあでっかくて5キロ以上はあるのではないかと思うほどの大きさでした。
女山大根は紅かぶ系ですがポリフェノールなど、栄養学的には他の大根にない栄養素が沢山あって、この大根の一大産地にしようと幡船の里会長である船津さんはがんばっているようでした。船津さんは西多久の大根おじさんとして活躍しています。「多久は農家がよくならないと活性化しない」と直売所を設けて頑張っています。この日の分科会パート2、「伝統野菜女山大根と地域おこし」でも、特産品開発からグリーンツーリズム、さらには将来の夢について熱っぽく語っていただきました。
この日はこのほど50年ぶりに復活した西多久音頭の披露もあって、西多久を考える会の活動が活発なことを印象付ける、中々の賑わいでした。
公民館の前には国・市の重要文化財に指定されているくど造り民家「森家・川打家」を見学しました。江戸時代にタイムスリップしたような歴史ある建造物にも眼を奪われました。
並んで建つふるさと情報館幡船の里で特産品やお土産を買い求め、研修を締めくくりました。
少し早めの昼食を「太平庵酒蔵酒造資料館でいただき、現地解散となりました。山奥組の井上・荻野さんたちとはここでお別れして、私たち一行はマイクロバスで佐賀駅まで送ってもらいました。たった一泊二日の研修なのに、この分科会を選んだ縁の不思議や、心のこもった歓待で増幅した縁の深まりを感じながら、わざわざ見送りにきていただいた地元の方々と再開を願いながらお別れしました。
「孔子様 あなたのお陰 このように 論語地で行く 出会いいただく」
「大根の 芸名名乗る この身ゆえ 尋ねし多久は 思い出多く」
「朝粥を すすりて遠い ふるさとの 妻顔浮かぶ 旅の宿にて」
「大根は 脇役ながら 存在を 示して今日も 食事の度に」