shin-1さんの日記

○久しぶりの宇和島

 今日は厚生年金受給者協会宇和島支部の招きで、久しぶりに宇和島を目指して走りました。東京へ行って帰りに松山へ立ち寄ると松山の長閑さに驚きますが、その長閑な松山から宇和島へ行くとさらに長閑で、まるで時計が止まったような気分になるのです。でも宇和島が劣っているからではなく、むしろこののんびりこそが「せまい日本そんなに急いで何処へ行く」てな感じで、私にとってはむしろホッとする場所なのかも知れないのです。

 普通は大洲を抜け卯之町を抜けて休憩もせずに突っ走るのですが、うららかな秋の天気に誘われて、見晴らしの良い法華津峠で一服しました。先日皇太子様が全国育樹祭で来県された折ご訪問されたみかん研究所(果樹試験場南予分場)の見える場所に立って、思いきり深呼吸をしました。ここは個人の土地でミカン狩りを受け付ける場所なので、断りを入れて見学させてもらいました。

(法華津湾の見事な眺望)

 よく晴れていれば遠くには九州の山並みまで見えるというこの地はやはり愛媛県を代表する絶景の地だといつも思うのです。私は若いころ宇和島水産高校に遊学し、宇和島で3年間を過ごしましたが夏休みや春休みなどの行き帰りのその度に蒸気機関車に引っ張られた客車の窓から何度この風景を見たことでしょう。その思い出が蘇りましたが、思い出に浸っていると運よく列車が直ぐ下の線路を宇和島に向かって下って行きました。

(みかん畑を縫うように走る予讃線、みかん山は黄金の山のようでした)

 南予地方の人は人が良いとしみじみ思いました。断りを入れて眺望を楽しませてもらっただけなのに、美味しいみかんをご馳走にまでなって、こちらがかえって恐縮してしまいました。

 宇和島に着いたのですが少し時間が早かったため、時間を割いて南予地方局に八十島さんを訪ねました。宮川さんもいて少しの間雑談をしましたが、大森課長さんはあいにく席空きで会うことができませんでした。宇和島には今週の日曜日に講演で来る予定だし、地域づくり団体交流全国大会で来なければなりませんが、県の肝いりもあって南予に少し明るい兆しが感じられ、嬉しい限りです。

 宇和島道路高架橋のすぐ傍にある宇和島市社会福祉会館へはもう何度も来ているので道順も間違わずすんなり到着です。入口では既に厚生年金受給者協会の会長さんはじめ役員の方が駐車場を用意して待っていてくれました。皆さんはこの日の打ち合わせのために人間牧場へも来られ、準備万端何の問題もなく今日の講演会となりました。会場は満席状態で、相変わらずな私の話に熱心に耳を傾け、寝る人もなく1時間があっという間に終わってしまいました。

 この団体には何年か前にもお話しに来たことがあり、今回はアンコール講演なのです。最も数年前に話したことをすべて覚えているような人もいませんので、安心して話しましたが、いやあ南予の人はおおらかです。会場の雰囲気や反応が良いのでついつい喋り過ぎてしまいました。

  「四十年 前にも同じ 風景が 見えたであろう 懐かしきかな」

  「まあ一つ お食べなさいと 差し出され 美味いみかん 舌づつみ打つ」

  「法華津湾 秋の天気に 恵まれて 遠く九州 ちらほら見えて」

  「満席の 観客一人 寝るでなく 笑いの渦に 巻き込み話す」

 

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shin-1さんの日記

○秋来ぬと目にはさやかに見え始め

 気がつけばいつの間にかわが家の庭にも遅い秋がやって来ているようです。わが家は田舎らしく家庭菜園を含めると660坪もあって、裏山は自然を生かした築山のように急峻な山が家の近くまで迫っているのです。その裏山には昔から柿の木が4~5本あって、このころになると柿の実が黄色みを帯びて色づいて秋の風情を彷彿とさせています。この柿の木はどちらかというと土止めのような形で植えられていて、柿を収穫するためではないので、親父が適当な時期に適当に選定するものですから、実の成りもバラバラですが、それでも秋になると家で食べるくらいの柿の実は収穫できるのです。

 秋といえば何といってもこちらではツワブキと野菊です、海沿いの町らしく家の周りには沢山のツワブキが自生していますが、その殆どは面倒くさいので草刈りの時に草刈り機の餌食になって刈り取られますが、植物の生命力は凄いもので、その後また芽を出しこのころになると黄色い花をつけて存在感を誇示しているのです。わが家の周りにはいつの間にか無数の黄色い花が秋が来たことを告げるようにいっぱい咲いています。このまま放っておくと来年の春には綿帽子をかぶったような新芽が出て、皮をむいて食卓を賑わす一品になるのです。

 ツワブキという名前の由来はその葉っぱがつやつやしていることからつやぶき=ツワブキとなったという説がありますが定かではありません。菊科の多年草で直径5センチほどの可憐な黄色い花がとても可憐です。この花が咲くのは11月3日の文化の日を挟んだ時期なので、歳時記にも度々登場しますが、わが町の海岸線には至る所に群生して咲く姿が見られるのです。

 草刈り機が届かず刈り残した背丈より高い位置に野菊がいっぱい咲いています。菊といえば大輪の大きな花を連想しますが、野菊はツワブキと同じようにとても清楚な花で、控え目に咲く姿はどこか日本人の控え目なそれでいてつつましやかな女性の姿に似ています。この時期の野菊を摘み取って陰干しにし、枕に入れるのが菊枕といって、さわやかな香りが安眠を助けるそうです。この地方では損な風習はありませんが、南予ではそんな枕を作るのだとある人から聞いたことがあるので、一度試してみようと思っています。

 わが家の畑の根菜類も大分大きくなって、いよいよ秋本番です。9月に播いた大根はもう腕首ぐらいに大きくなり、下ろし大根や煮物にも使えるようになりました。昨晩は妻が大根サラダを作ってくれましたが、初物の瑞々しい大根の歯触りは何とも言えない美味しさです。

 ツワブキと野菊の咲く頃になると今は亡き母を思い出します。母が亡くなって49日頃にもこれらの花が野辺に咲いていましたし、母と過ごした今は人間牧場となっているみかん畑のドハ沿いにも沢山のツワブキや野菊が咲いていたのです。ああ懐かしや母の姿・・・・・。

  「この歳に なって余裕の 野辺の花 そこここ見えて 懐かしかりけり」

  「咲く野菊 そっと手折りて 持ち帰り 一輪差して 風流楽しむ」

  「どの花も 色とりどりに 咲き誇り 綺麗でしょうと 言わんばかりに」

  「今年こそ 野菊摘み取り 陰干して 枕作ろう 思いも新た」

 

 

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