shin-1さんの日記

○着払いの贈り物

 先日私のパソコンに一本のメールが入りました。高知大学の学生である堀川奈津さんからです。堀川さんは高知大学に通いながら地域づくりのお手伝いに高知県奈半利町へインターン制度で入っている女性です。私の町双海町出身であることや、まちづくりの講演会がきっかけで知り合い、夏休みや春・冬休みで帰郷の際にわが家へやって来るほど熱心な方で、派遣された奈半利町では「なっちゃん」の愛称で呼ばれ重宝されている姿を見ると、双海町出身だけに思わず嬉しくなるのです。彼女は変わった経歴の持ち主で海外留学の経験もあり、普通の女性にはない研ぎ澄まされた感性を持っていて、未完の可能性を感じるのです。

 メールには彼女が入植している奈半利の山里で、自分が初めて作った米を食べてもらいたいというのです。多分私以外にも食べてもらいたい人が沢山いて、その「贈り物を届けたくても送料が高くて」ということだろうと思い、返信のメールを返しました。

 後日わが家に小さな贈り物が届きました。宅配業者は済まなさそうに「着払いなので千円申し受けますがよろしいですか」と断りを入れ、代金を受け取って帰って行きました。中を開けてみると米に加え柿とサツマイモが入っていました。彼女らしい便りが添えられていました。その日は私が出張するので食べることが出来ず、後日の試食となりました。ご飯に焚いて食べましたが、安心安全という思いのこもった、しかも作った人の顔を浮かべたご飯は特別な感じがして、妻と二人であれやこれや彼女の話を肴にして楽しく食べました。

 彼女は今年は確か4回生ですから来春は順調に行けば卒業の予定です。「冬休みには帰郷するので話に行きます」というメールに、「何か考えているな」と思いながら、間もなくやって来る冬休みを待っています。最近は大学で教えていることもあって、沢山の学生に出会うようになってきました。就職がままならなかった数年前に比べ、景気回復を反映してか就職へのアドバイスは減ってきたようですが、それでもまちづくりに関心を寄せる学生は増え続けて、卒論のテーマにまちづくりを選んでいる学生は沢山いて、指導をしている学生も数人いるほどです。時代は少しずつ動いているようです。

  「着払い 若者らしい 発想に 届いた荷物 開けて驚く」

  「作り人  顔を思いつ 箸進め 秋の夕暮れ 妻と会話す」

  「美味かった 返信メール 打ちながら 秋の深まり 風の便りを」

  「この頃は 学生たちと めぐり合う 卒論指導 頼まれたりして」


 


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shin-1さんの日記

○みかんが美味い

 私の住んでる愛媛県はみかんの産地で、和歌山県と1~2位を争うほどです。近年は和歌山にトップの座を奪われていますが、それでも秋から冬になると山全体がオレンジ色になり、美味しいみかんが沢山取れて果物好きな私としてはいい所に住んでいることの幸せをしみじみ味わっています。

 わが家はかつて半農半漁といわれるように、漁業と農業を兼業のような形でやっていました。兼業と言っても漁業が主でしたから、農業はそんなに手広くやっていた訳ではなく、4~5反程度の作付けでした。それでも母親は兼業のため忙しく働いていて、この頃になると寝る間を惜しんで働いていました。そんな母親の手助けを子どもがするのは当たり前の時代でしたし、親も子どもの役割をしっかりと受け止め小さな労働力に感謝の日々でした。学校から帰ると居間の黒板に母親が、「学校から帰ったら玄関横の背負子に肥料を荷造りしているので、池窪の畑まで来るように」と書かれているのです。遊びたい少年時代でしたから、時には見て見ぬ振りをして遊んで叱られたこともありましたが、それでも片道20分もかかる急な坂道を思い荷物を背負ってみかん畑に行ったものでした。道沿いのそこそこの畑には畑仕事で働く人が沢山いて、「坊は偉いのう」と褒められたりしながら、畑に着くと母は既に私の荷物を用意していて、そのみかん箱をまた背負子にくくりつけてもらい、みかん畑から元来た道をわが家まで引き返すのです。足が笑ったり、途中で腰を掛けて休んだりした場所を時折見る度に、昔日の懐かしさが蘇えってくるのです。

 みかんを食べる度に今は亡き母を思い出すの加齢のせいでしょうか。最近はみかんを食べなくなったとよく言われます。多分みかんしか食べるものがなかったから食べただけかも知れないと思うのです。私たちが子どもの頃は篭一杯のみかんもあっという間になくなるほど食べました。子どもの手はみかんを食べ過ぎてまるで黄疸ではないかと見まがうほど黄色くなっていたものでした。

 今はみかん以外のお菓子類が沢山あって、みかんに手を出す子どもは殆どいません。みかん産地ゆえにみかんが珍しくないからかも知れませんが、全国何処へ行ってもそんな話しを聞くのです。

 愛媛県に朝フルの会とというのがあって、私の友人たちがその運動を熱心に展開しています。昔から「朝の果物は金」といわれるように、朝の果物は健康に飛びっきりいいそうです。特に朝の空腹時に新鮮な果物を取ると美容にもいいそうで、無理してダイエットをする現代ですが、朝果物だけで過ごすと何と何と痩せるというのです。朝フルの会員さんはものの見事にその事を実証されているのですから、騙されたと騒ぐ高いダイエット食品などに惑わされることなく絶対にやるべきです。

 今は産地だけあってみかんがとても安く売られています。今年は夏の水不足もあって美味しいみかんに仕上がっていて、朝フルを始めるには最適かもしれません。果糖だとか言われて、果物が糖分の取り過ぎだとかいわれますが、朝フルの正しい知識を持ったら、たらふく食べても痩せるそうです。一度お試しを。

  「秋みかん たらふく食べて 太らない? 正しい知識 食べ方工夫」

  「食べる度 亡き母思う 今頃は あの世の何処を 旅しているか」

  「美味いねえ 愛媛みかんは 日本一 味を送った 北国便り」

  「お百姓 みかんが安いと 嘆いてる 人に任せて 自分は何も」 

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