○県境の旅
昨晩は愛媛県と高知県の県境に位置する四万十市、今日は愛媛県と徳島県の県境に位置する徳島県三好市と目の回るような大きな旅です。しかも三好市は高知県にも香川県にも接する超一級の県境の街なのです。旧池田町で開かれた社会福祉ボランティア協議会の総会の記念講演に出かけました。高速道路だけでも味気ないと途中の四国中央市伊予三島川之江インターで降りてのんびりゆっくり峠越えをしました。沿線には今が盛りと合歓の花が淡いピンクの花を咲かせていました。旧池田町はかつて四国のへそを自認してまちづくりを進めてきた先進地でした。しかし近隣の貞光町道の駅や吉野川ハイウェーオアシスの成功にお株を奪われ、少し疲弊しているようにも見えましたが、合併によって3万人余りの三好市が誕生しその中心地として少し活気が取り戻せたような雰囲気が感じられました。でも駅前の商店街もご多分に漏れず人通りが少なく昼時に訪ねましたがご覧のような状態でした。
かつて旧池田町は土佐街道、伊予街道讃岐街道を結ぶ交通の要所として栄えてきました。池田駅もそうした物資人の中継基地となっていましたが、高速道路の普及によって通過する街へと変貌しているのです。
間もなく出発するであろうエンジンをかけたままの列車の車窓に映る人影はまばらでローカル線の佇まいでした。
駅の前には田舎の駅ならぬ立派な駅前公園があって野外ステージやモニュメントが整備されているのですが、残念な事にここにも人っ子一人いませんでした。公園で面白い物を見つけました。
水面にカエルの石造が設置してありました。合併前まで全国の池田町と名の付く町が池田町サミットをやっていた頃の名残のモニュメントなのです。傍に宣言文が刻まれ往時をしのぶことができましたが、池田町そのものが無くなった今では昭和の遺物になったようです。
多分これらのモニュメントも相当な費用をかけ、行政の威信や為政者の想いで作ったのでしょうが、仮にこの市町村交流が形式的でなく住民本意のものであったのであれば、合併後も続いているのだろうと思うと、姉妹町村は終い町村と悪評を叩かれずに済んだのにとふと思ったりしました。
私は思いました。今からでも遅くないからこれらの街と再び住民交流を始めたら面白いと・・・・。ただし行政に携わる人が税金を使ってタダで交流しても同じ失敗を繰り返すだけです。あくまでもマンパワーでの交流を望んでいます。
こうして色々な街を訪ねると、御製に携わっていただけに見えなくてもよいものが見えたり感じたりして仕方がありません。自戒の念を込めて行政への告発ともとれる意見をこれからも述べて見たいとこのモニュメントを見て思いました。
今日は福祉ボランティアの何たるも語らずに、むしろまちづくりの視点から福祉に切り込んだ話をしました。知人友人も多く参加していて、久しぶりに旧交を温めた県境の旅の終いでした。
「サミットを したと記した モニュメント 人来ず公園 ただひっそりと」
「昼時に 人も通らぬ 商店街 苦悩ありあり シャッター店が あちらこちらに」
「池田という 高校昔は スポットを 一人占めした 蔦さん懐かし」
「ゆっくりと リズム感じる 田舎町 遅れついでに 遅れてしまえば」