〇佐田岬半島こぼれ話
佐田岬半島は私の祖母が瀬戸町小島出身、妻の母が瀬戸町大久出身ということもあり、いつも行ったり通る度にDNAのせいか胸騒ぎがするのです。昨日は大久の浅野先生を訪ねましたが、遠い記憶が蘇ってきました。三崎半島に上陸し甚大な被害を出した台風19号直撃のその日、私は大久の浜松さんと山本さんから依頼を受けて、大久の講演会場へ向かっていました。
家を出る時「台風が近づいているが大丈夫か?」と浜松さんから電話が入りましたが、「台風が怖くて生きていられるか」と豪語して出かけたものの、国道197号を進むにつれ、あちこちで強風のため何台か車が横倒しになったり、街路樹が根こそぎ倒れていました。塩成大橋を過ぎてやばいと思った私は、潮成トンネル内でUターンして、知人の瀬戸町三机の奥山さん宅へ助けを求め避難しました。
ローソクの灯りが隙間風で揺れる中、奥山さんと2人ローソクの明かりを頼りに朝までビールを飲み続けました。いまわしい過去の苦い思い出です。その後大久の地区民が地引網を作りたいと私に相談があり、私の仲立ちで上灘漁協網江組合長に頼んで、組合員総がかりで作ってもらい引き渡した経験もあるのです。
大久小学校の隣に山本石材店があります。社長の山本さんは伊方町の町議をしている傍ら歌手アーティストとして活動しており、昨年の下灘駅プラットホームコンサートにもゲスト出演していて、先日CDを出したとわざわざわが家まで届けてくれました。たまたま店先でばったり出会い、立ち話ながら旧交を温めました。その折「亀の手」という海岸磯で採れる珍品を手土産に貰いました。
塩成の木嶋水産へ芋づるを受け取りに立ち寄りましたが、町議をしている木嶋さん宅で、今年も奥さん手作りの美味しいシラス料理を腹いっぱいご馳走になりました。私の旧友緒方二三子さんも同席してくれ、帰りに緒方さん宅へお邪魔し産みたて卵や手作りのイチゴ大福までご馳走になりました。三崎半島の人たちはどうしてこんなに温かい心の人ばかりなのでしょうか?」、いい出会いのほのぼのとした一日でした。