〇久しぶりに見つかった万年筆
私の周囲の視野から「万年筆」が消えたのはいつの頃からだろうか?。記憶を遡ってみるが、少なくとももう10数年は見たり使ったりしたことがないのです。青春時代は腕時計と万年筆に憧れていて、姉が就職して初任給で最初に私にプレゼントしてくれたのが腕時計と万年筆でした。恋文こそ書かなかったものの以後万年筆は私の大事な持ち物として、存分の働きをしてくれました。
私が23歳の時、第14回NHK青年の主張に応募した時の原稿もこの万年筆で浄書したもので、見事原稿審査に合格し愛媛県代表になったのも、この万年筆のお陰なのです。そんなこともあって字がまずい自分をカモフラージュするために、何本もの万年筆を買い求め、多い時は4~5本も持っていましたが、その後ワープロやパソコンが普及し始め、肉筆はボールペン万能な世の中になったため、私にとっては忘れられて存在となってしまいました。
昨日書棚の隅で埃を被った万年筆を一本見つけました。キャップを外し書いてみました。残念ながらインクが固まり文字を書くことは出来ませんでしたが、懐かしさ一入でした。私はハガキを毎日3枚書いていますが、時折風流を愛する仲間から万年筆で書いたと思われるハガキが届きます。私もそろそろそんな風流を楽しめたらと思いつき、書棚を探すとアメリカへ行った時買ったカートリッジ式のパーカー万年筆が見つかり、カートリッジを入れ替え使って友人に手紙を書きました。
万年筆にはまるで時間が止まったようなセピア色の懐かしい思い出がたくさん残っています。自分の人生において残された時間はそんなに多くはありませんが、今書いている様々な原稿の殆どはパソコンで書いた文字なので、万年筆の肉筆で書いた原稿も悪くはないなあと思いつつ、挑戦を始めてみました。
「探し物 してて見つけた 万年筆 最初は姉が 給料叩いて」
「そう言えば 万年筆で あれやこれ 書いた原稿 全て紛失」
「もう10年 万年筆を 使わずに 過ごしています これから先も」
「万年筆 使って肉文字 遺したい 馬鹿げたことを 早速実行」