〇今を大事にしない者に明日はない
人間の心は弱いもので、何かにつけて先送りすることが多いようです。日々の暮らしの中であれもやりたいこれもやりたいと思うものの、「明日にしよう」、「また今度」「いつか」という怠慢心が頭を持ち上げ、自分に言い訳ばかりするうちに、あっという間に一日が、そして一ヶ月が一年が過ぎて行くのです。若いうちなら余力があるのでそれもいいのでしょうが、後期高齢者のレッテルを貼られた私などに残された時間はそんなに多くないため、余程心を引き締めて日々を暮らさないと、取り返しのつかない人生となってしまうようです。
あるお百姓さんが大根の種を蒔く時機を逸した「御幣担ぎ」という落語があります。種を蒔こうと畑に向かう途中、顔を手で押さえて歩いている女性に出会いました。聞けば「歯が虫歯で痛む」ので病院へ行くとのこと、「葉を虫に食われたら大変」と縁起を担いで「明日にしよう」と諦めました。明くる日「今日は蒔こう」と畑に向かうと村長さんに出会いました。「どちらへ」と聞くと、「警察から呼び出しを食らった。私が選挙でおカネをばら撒いたという『根も葉もない』噂が飛び交っているそうで、説明に行く」というのです。
「根も葉もない大根は作れない」と思いその日も種を蒔くのを断念しました。左様な日々が続き結局その年は、大根の種を蒔くことができませんでした。そんな時思い出すのが「やってみればいい」という言葉です。今を大事にしない者に明日はないのかも・・・・。
やってみればいい
「とりあえず」ばかりで一日がすぎていき
「また今度」ばかりで一ヶ月が過ぎていき
「いつか」ばかりで一年が過ぎていく
自分に言い訳するうちに時は過ぎ
あっという間に人生が終わる
無駄にする時間はひとつもない
やりたいことがあるなら「今」する
あれこれ考えて動かないなら
まずは「やってみる」こと
今までと違った人生が待っている