〇たった一年で無残にも・・・・
わが家のすぐ下の田んぼは、毎年この時期になると青田が広がり、綺麗な田園風景を当たり前の光景だと、もう何十年も毎日見ていました。ところがその田んぼの持ち主のご主人が病気になって長期入院しているため、今年は残念ながらこの田んぼは不耕作地となってしまいました。近所に住んでいる奥さんはこれまで農作業はご主人に任せ、お手伝い的存在だったので耕運機や草刈り機などを使うことが出来ずどうしようもなく稲を植えるのを諦め、一部隅の方を知人に家庭菜園として貸しているものの、今では雑草が背の高さに迫る程大きくはびこり、その殆どは荒れるに任せスズメの住処となっています。
昨日の夕方雨が止んだので家庭菜園の畦畔草を草刈り機で刈りましたが、その足で下の田んぼに降りて、わが家のすぐ下の石垣やブロック積み付近の草を刈ってあげることにしました。田んぼだった土地ゆえ、このところの雨で水が溜まってぬかるんでいたため、時折草刈り機の刃がまるで水車のように水しぶきを上げたりしましたが、30分ほどですっかり綺麗になりました。作業を終えた後持ち主の奥さんに早速電話して、勝手に草を少し刈ったことを伝えると奥さんは、私の善意を大層喜んでくれました。
私たちの暮らしの身の回りでは、空き家や耕作放棄地が目立つようになってきました。空き家は普通目立たないものの、何年かすると突然壁が崩れ屋根が落ちて廃墟となる家も何軒か出始めました。また平地の少ない町なのに、街がかった田んぼでさえこのように作り手がいなくなり、荒れるに任せている姿に心が痛みます。このままだと今まで、田畑が広がり緑豊かな美しいと思われていた田舎の風景も、後10年もすればどうなることでしょう。県の景観アドバイザーをしている故に出来ることとできないことのギャップを大いに感じている今日この頃です。
「わが家下 田んぼご主人 入院し 耕作放棄し 草丈伸びて」
「景観を 保つためにと 意を決し 一肌脱いだが やることしれてる」
「このままじゃ 田舎の田畑 荒れ放題 有害鳥獣 わがもの顔に」
「人は減る だのにイノシシ 増え過ぎて 今流行の 三蜜状態」