人間牧場

〇ゴミ?か資源?か民俗資料?か(その2)

 市役所支所の倉庫に埃を被って眠る戦前の手押し消防ポンプはゴミ?か、資源?か、民俗資料?か、時間がない中で私は考えましたが、役所の出した結論は、保存する場所と方法が見つからないので「ゴミ」でした。「処分をお任せします」と言われても、こんな粗大ゴミを引き取る業者もなく、ましてやお金もかかるので途方にくれました。そんな行政の結論に少し落胆し、一瞬「自分で引き取り保存しよう」と思いました。

貰い受け錆と埃を取り手入したサス股と放水口

 しかし私の家には既に、粗大ゴミとして処分される運命にあったこれと同型と思える、引き取り手のない手押しポンプを、親父が存命中貰い受け、親父と私が錆を落として展示に耐えれるように磨きをかけて保存していて、自宅横の海舟館もいっぱい状態で、保存場所も見当たらないことから、せめて格好のいい資源ゴミにするため、顔見知りの廃品回収業者に引き取って貰おうと、古い電話帳を調べ連絡しました。

 私の言うことなら聞いてくれる廃品回収業者と連絡が取れ、現物を見に昨日の午後やって来てくれました。電話で事の仔細を話していたので、市役所の職員さんの力を借りてとりあえず、小さい方の一台は回収業者の軽四トラックの荷台に積んで帰ってもらいました。大型のもう一台の手押しポンプは、後日引き取って貰うことで一件落着しそうな雲行きですが、それにしても粗大ゴミにはならず資源ゴミにはなりそうながら、遺し伝えることの難しさを感じる、後味の悪い処分となってしまいました。

 私たちの身の回りにでは家庭も含め、こんなやり取りは四六時中です。その度に古いものに興味があるように見える私は呼び出され、最終処分に立ち会っています。昨日も資源ゴミに出される運命にあった、手押し消防ポンプの傍に置いていた管送口とサス股を言い訳程度に貰い受けて持ち帰り、歴史の生き証物として少しでも保存に貢献すべく、鉄線ブラシで錆を落としたり埃を水で洗い落としたりしましたが、ゴミ?か、資源?か、文化的民俗資料?か、色々なことを考えさせらた一日した。妻や息子から「また古い物を貰って来た!!」と呆れ顔で笑われ、「もう貰って帰らないように」と釘を刺されてしまいました。

「粗大ゴミ 免れたけど 資源ゴミ 馴染みの業者 三拝四拝」

「またしても 民俗資料 消えて行く 心痛めつ 立ち合い余儀なく」

「言い訳の つもりでせめて 小物でも 保存したいと 持ち帰り手入れ」

「行政は 何することが 仕事なの? 昔勤めた 私がゆえに」

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