〇綿棒を耳に使ってはダメ
先日新聞の生活欄を読んでいると、「耳鼻科医の日々是好日」という欄に、「耳掃除しては駄目」という小さな見出しを見つけ、「えっ!!?」と思いました。素人ならいざ知らず耳鼻科のお医者さんが言うのですから、素人の私が「えっ!!?」と思うのは当然です。書き出しに次のような文章が載っていました。
耳掃除していますか? 耳掃除されると何となく気持ちがいい? 耳掃除しないと汚くなる? ちょっと待って。耳掃除をしてはいけないのです。耳の中には繊毛という毛が芝目のように入り口の方に向いて生えています。耳あかは表に出るようになっているのです。それでも耳の中がかゆくなったりすると、どうしても耳掃除をしたくなります。耳の入り口から鼓膜までを外耳道といいますが、そこの上皮は非常に薄く掃除をするだけで傷つきやすいのです。傷ついたところから細菌が入ると外耳炎になり、慢性化すると真菌(カビ)が生えてきます。~中略~綿棒ならよいだろうという方もおられるかも知れませんが、それも駄目です。なぜなら綿棒を耳の中に入れると耳あかを鼓膜の方に奥深く押し込んでしまうからです。耳の中の毛が耳あかを押し出そうとしているのに、それを押し込んだら意味がありません。米国では綿棒の注意書きに「耳の穴に入れないように」、「耳には使用しないように」とと書かれていて、既に常識になっているのです。
まさに「えっ!!?」でした。私は温泉が大好きで時々妻と二人で出かけますが、少しお高い温泉の洗面台の前にはヘアトニックや乳液とともに綿棒が置かれていて、風呂上りには必ずといってよい程綿棒を使って耳の掃除をしていましたが、「これからは綿棒を使うのを止めよう」と思いました。まさに寝耳に水の話でした。私は子どものころ耳がよく聞こえるようにと、母ちゃんの太ももを枕にして、母ちゃんに耳掃除用の小さい竹べらで耳垢をよく取ってもらいました。
母ちゃんの太もものぬくもりを感じながら余りの気持ちよさについうとうとしたことを、遠い記憶の彼方に覚えています。母ちゃんは私に「近頃言うことを聞かなかったのは、耳糞のせいだった。耳糞を取ったのでこれでよく言うことが聞けるようになる」と、太鼓判を押してくれました。懐かしい思い出です。
「新聞を 読んで気が付く 馬鹿の知恵 アメリカ常識 日本まだまだ」
「綿棒で 耳の掃除は ダメですと 嘘か本当か お医者さん言う」
「温泉に 行く度綿棒 使ってた 今から止めよう 遅くないはず」
「母ちゃんの 膝を枕に 耳糞を 取ってもらった 思い出懐かし」