人間牧場

〇しまなみ海道へ小旅行(その2)

 私はこれまでにも合併前や尾道市と合併した後の瀬戸田を、講演の度に何度か訪ねていますし、平山郁夫美術館やシトラスパーク、サンセットビーチ、ベルカントホールなどへも立ち寄っていますが、妻はその殆どを訪ねていないので、妻のリクエストに応えて耕三寺を見学しました。かく言う私も耕三寺へは10年来訪ねていないので、要望のまま少し高いと思われる入場料を支払って中へ入りました。わたしが前回訪ねた折は、「未来心の丘」という白い大理石を配置した場所はまだ工事中だったので、少し興味がありました。

未来心の丘
未来心の丘の説明看板

 境内の奥まった高台にはイタリア産の白い大理石を、道に敷き詰めたり配置したりしてできていて、春の太陽の光を受けて、まるで南極の氷山を思わせるようなまぶしさでした。私たちは過去を引きずりながら現在に生きていますが、誰にも分らないこれから生きるであろう未来という世の中は、多分こんな感じなのかも知れないと、周囲に咲いている桜の花や、遠望広がる海を見ながら思いました。12年の歳月をかけて造ったという白い大理石の丘は、直前まで巡った石仏や建築物を配置した耕三寺の境内とは思えない、まるで異次元の空間でした。

白い大理石の未来心の丘
未来心の丘頂上のモニュメントにて

 大理石の石ベンチに座り、これから先の自分の未来について考えてみましたが、遠心的に生きようと思いながらその目的も果たさぬまま今に至っています。これまでの人生がこれからの人生を決めるのであれば、私の人生は自己満足の範囲内でしかありません。これからの人生がこれまでを決めるのであれば、未来的夢は限りなく広がります。求心的に生きてみようと少し前向きな考えに向き始めました。未来心の丘に立って、これからの人生を考えることができたことは、自分にとってとてもいいきっかけになったような気がしました。私と同じ凡人たる妻も少しこれから始まるであろう未来について考えることができたようでした。

 「瀬戸田町 指折り数え まだ足りぬ それほど来てるが まだまだ奥が」

 「耕三寺 丘の上には 白大理 これが未来の 世の中なのか?」

 「これまでは ただがむしゅらに 遠心を 目指し生きたが これから求心」

 「少しだけ 自分の未来 思い馳せ モヤモヤの中 少し光が」

 

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