〇建築の三要素
わが家は昭和51年に新築して40年が経つ、屋根は日本瓦、壁は土壁、外壁は焼杉といった純日本家屋です。5年前息子たち家族と同居するにあたって、少しリフォームをしたので古くもなく新しくもないって感じの家で、家族6人が平和に楽しく暮らしています。最近日本の各地で地震災害が頻繁に起きるようになり、わが家は耐震構造ではないので、「もし地震でも起こったらどうしよう?」と多少不安が頭を過ぎります。そうかといって年金暮らしゆえ耐震工事をするほどの余裕はなく、「なるようにしかならない」とか、「なったらなった時のことよ」と、まるで他人事のような割り切り方をしています。
建築の仕事に携わっている息子が折に触れ言っている話を要約すると、建築の三要素は「強・用・美」のようですが、最近は特に世相を反映して「強」が求められています。その点わが家は一見頑丈そうに見えますが、現代の住宅に比べると少し危ない感じがします。「用」とは便利さや使い勝手でしょうが、昔風のわが家は襖や障子を取り外し周り廊下を含めると、20帖もの大広間になるため、お客事などにはすこぶる便利です。しかし居間や寝室などは、襖と障子で仕切られているだけなので、余り日常苦痛には感じませんが、個々のプライバシーが守れない難点があるようです。
リホーム工事の時、思い切って家の全ての畳替えをしましたが、畳屋さんが「これほどの枚数の畳替えをしたのは久しぶりです」と驚くほどでした。最近の家は和室は言い訳程度しかないそうで、家は殆どフローリングでスリッパを履いて過しているようです。和風の家屋といいながら今は洋風の家が増えていて、小さい部屋の殆どにはドアがついているのです。外観も家の中もお洒落に造られていて、まるでメルヘンタッチのような家が多いようです。わが家のように庭が広くどこかしこに庭木が植えられていると、この時期は庭木の剪定や日常の草引きなど、考えもつかないほど労力を取られます。まあこれも「日本美」の表現だと思っていますが、老いの身ゆえに多少不安も感じています。
「住む家の 三つの要素 強・用・美 どれをとっても 多少見劣り」
「家の中 襖と障子 畳です ドアなど あるかないかで 純日本風」
「この時期は 庭木 草引き 忙しく マンション住まい 羨ましくて」
「菜園の 付いたお屋敷 住んでいる 格好いいが それは大変」