〇火の光は心を結ぶ
先日山梨県からはるばる私を訪ねて来てくれた野田さんかた、小さな箱に入った線香花火を手土産にいただきました。箱には「日本の線香花火『結』和火師佐々木巌」と達筆な筆で箱書きされていました。蓋を開けると一束12本の和紙こよりの線香花火があり、説明文もかなり凝っていました。
「火には悪や病気をはらい、心を温かく穏やかにする力があると言われ、古来より火の働きを火明玉神(ほのあかるたまのかみ)とたたえてまいりました。」、「火の光は心を結ぶ、和火師佐々木巌」と書いて何か意味ありげです。和火師という職があることすら初めて見る私ですが、野田さんの話によるとこの方は日本的に有名な方のようでした。
線香花火は子どもの頃の夏の思い出です。田舎ゆえ花火を売っているお店も殆どなく、買ってもらう機会も年に1~2度くらいでした。また今のような華やいだ花火ではなく線香花火が主体でしたが、柳からパチパチとかすかな音を立てて松に替わり、やがて火球が燃え尽きて落ち、硝煙を残して暗闇に戻る光景も心の中に焼きついています。
今年の夏は夏休みにやって来るであろう外孫とわが家の内孫たちで、この線香花火を庭先でやってみようと思っています。どんな線香花火なのか今からとても楽しみです。勿論妻や息子夫婦、娘たちにも日本の花火が、江戸時代から花火師たちによって受け継がれてきた誇りある伝統であることも伝えたいと思っています。「玉~屋」「鍵~屋」の掛け声も・・・・。
「お土産に 貰った線香 花火には 仰々しくも 達筆筆で」
「夏の夜の 線香花火 何となく 少年の頃 淡い思い出」
「手づくりの 線香花火 夏休み 孫と一緒に 楽しみ増えた」
「日本には 私の知らない 手仕事が いっぱいありて 伝統受け継ぐ」