〇お酒を止めて16年
ビールの美味しい季節がやって来ました。季節を先取りしたお中元商戦も終盤ということもありますが、テレビでは毎日のようにビールのCMがこれでもかというほど流れています。ビール大好き人間だった私ゆえビールのCMを見ると、「美味しそうだなあ」と呑んでいた昔を懐かしく思い出し、一瞬心が動きますが、そこはお酒を止めて16年も経っているので、「はいそれまでよ」で終るのです。
お酒やタバコといった嗜好品は、止めようと思っても中々止めれないものであることは、誰しも認めるところです。私は最初お酒は余り呑めませんでしたが、青年団に入って連日連夜練習したお陰で、人並み程度は飲めるようになりました。ところが25歳で何が原因か分らない肝機能障害とう病魔に襲われ、重労働な漁師からの転職を余儀なくされ、一時は医師の勧めもあってお酒を控えていましたが、役場に入って元気を回復するほどにお酒も少しずつ増えて、仕事柄多い時は若い時をしのぐ酒呑みになっていました。
ところが58歳の時健康診断で胆のうにポリープが見つかり、入院して摘出手術をしたのです。胆のう周辺には肝臓などの臓器が幾つもあって、酒を呑まない方が延命できると医者の忠告を受けました。それでも酒を呑みたくて医師から「ビール一本程度なら」という和解案?を貰いましたが、「ビール一本程度なら呑まない方がましだ。この際酒を止めます」と医師と固い約束をしてしまったのです。勿論自分自身も妻も周りの人も半信半疑でしたが、意志を硬くして17年前にお酒を止めたのです。
公麻呂ではありませんが、「あれから17年」きっぱりとお酒を止めることができました。自分の意志の強さに驚きながら、自分自身の価値ある行動を誉めています。勿論私の体を一番気遣っている妻も大絶賛で誉めてくれています。昨日それを知らない知人からお中元に、珍しいビールが届きました。ここでも「う~ん呑みたい」と一瞬心が動きましたが自制のブレーキが働き、このビールは仲間にお裾分けするつもりです。「酒を呑まないとまちづくりは語れない」と言っていた私が今は「酒を呑まないと語れないようなまちづくりは可笑しい」などと、勝手な戯言を言って周りを笑わせています。
「酒止めて 16年が 経ちました 体内隅々 アルコールなし」
「よくもまあ 酒を止めたと 胸を張る 妻も私を 偉いと誉める」
「酒のない 国へ行きたや 二日酔い 時々昔 懐かしくなる」
「酒呑んで 町を語るは 当たり前 呑まずに語る これぞ極意と」