〇虻に刺される
田舎に住んでいるとハチやムカデは勿論のこと、蚊やブトなどの吸血小動物に刺されることはしょっちゅうです。最近はマダニという恐ろしい吸血小動物に刺されて命を落す人さえいるのですから、気をつけなければなりません。今年の夏はやたらと虻が発生しているようで、草刈の最中などは人間の汗と体温が好きなのか、虻が沢山うるさいくらいまとわり付き、作業の邪魔をするのです。
虫が亡くなると書いて虻と呼びますが、私がそうであったように虻が吸血動物であることは余り知られていないようです。調べてみると血を吸うのはメスの成虫だけのようですが、虻は衣服の上からでも平気で刺すから厄介です。先日半袖半ズボンの軽装で庭の草むしりをしていると、足首に虻が止まりチクリと刺されました。それくらいのことはしょっちゅうあることなので、そのままにしていると、夕方少し腫れて熱を持ちましたが、風呂から上がってかゆみ止め程度の軟膏を塗って寝たものの効き目がなく、腫れは段々酷くなりました。
ほおって置くこともできず、化膿止めの少し強い塗り薬を塗るとやっと快方に向いつつありますが、足首ゆえ歩くとズボンの裾で擦れるため、歩行もいびつになるなどとんだ災難でした。近所の人に聞くと今年は虻が例年より多いようだと言っていました。また別の人は「台風が沢山来る年は虻が多い」という話を古老から聞いたことがあるそうでした。この70年間生きて来て虻は身近にいる小動物なのに、何も知らず何の疑いもなく生きてきたことを思うと、私も相当いい加減な人間だと思わざるを得ないのです。
「虻蜂取らず」という諺があります。「虻蜂取らず」の次の言葉に「鷹の餌食」とか「蚊の餌食」と続くようですが、そのことすら余り知りませんでした。虻と蜂の二つを取ろうと欲を出しても、結局は両方逃げられてしまう例えですが、私は今蜂を飼い蜂蜜を収獲して楽しんでいます。蜂に気を取られている隙に今回は虻に刺され、思わぬ結果となりましたが、虻は人間にとって害虫なので、これからは気をつけようと思っています。
「70年 生きているのに 虻のこと 殆ど知らず 刺され驚く」
「小さいが メスの成虫 人間の 地を吸うそうだ 危ない危ない」
「蜂取りや 雑草取りに 夢中なる 虻に刺されて 足首化膿」
「身の回り 危険な生き物 いっぱいで 田舎暮らしも それなり大変」