〇友遠方より来るあり(その1)
昨日から早くも8月です。親父の死亡や葬儀のゴタゴタで、今年の7月は忙しくてほろ苦い忘れることのできない一ヶ月となりました。親をあの世に見送るということが、長男たる私にとっていかに大変なことかということを、身を持って体験しました。天井目標となるべき親父の享年98歳までには、まだまだと思える27年もありますが、親父の最後を見届けながら自分自身のこれまでの生き方とこれからの生き方を、自分自身に問いかける日々が今も続いています。
そんな矢先の数日前、年輪塾の塾頭である清水さんがわが家へやって来ました。主な用件は先日私が参加できなかった、滋賀県への年輪塾修学旅行の報告でしたが、親父の祭壇に線香を手向けてもらった流れで、祭壇の置かれた部屋で座卓を囲み、2時間ばかり色々な話をさせてもらいました。清水さんと知り合った日はもうかなり年月が経っているのではっきり覚えてはいませんが、彼がJAえひめからえひめ地域政策研究センターへ研究員として出向してからお付き合いは始まりました。当時私はえひめ地域づくり研究会議の代表運営委員を務めていたので折に触れ交流交遊し、彼が5年間の任務を終え出向元へ帰った後も、また私が代表運営委員を辞してからも私的な関係は続き、年輪塾の塾頭をお願いしていることもあって、私の最も親しい親友として公私にわたり付き合っています。
清水さんは一旦役職定年を迎えた後も再任用で古巣に止まっていましたが、今年の春に全ての職を辞し私と同じ自由人となって、今は一応失業扱いでハローワークに顔を出しています。これからの人生をどう生きるか模索していて、自由人の先輩である私の生き方にも興味を示しているようでした。親父が亡くなった私と職を失った彼とでは随分立場や内容は違いますが、それでも「これからの人生をいかに生きるか」という点では一致していて、お互いが熱を帯びた話を気がつけば2時間もしてしまいました。
清水さんは博学で、年輪塾の塾頭として存分の働きをしてくれています。特に二宮金次郎の学習の折は、名高い尊徳翁夜話233話を毎週彼が開設しているあらしやまネットで塾生にデジタル配信し、個人学習や集合学習の道筋をつけてくれました。私塾年輪塾がここまでしっかりと運営ができているのは、塾頭の清水さんと小番頭松本さん、それに筆頭塾生浜田さんの力に負うところが大きいのです。清水さんは私のところへ、中江彰さんの出版物と共に一幅の掛け軸を持参してくれました。
「友が来る 祭壇飾る 居間座り 二時間ばかり あれやこれやと」
「二人して これから人生 どう生きる 考えながら 意見述べ合う」
「人により 生かされ生きる ゆえなりて 友の存在 有難きかな」
「手土産に 小さな本を 二・三冊 勉強足りぬ 私励ます」