〇お別れの会
昨日は若嫁のお父さんが亡くなり、家族全員が家を留守にしました。年末から年始にかけて病院に入院して治療に当たっていましたが、家族の願いも空しく21日に帰らぬ人となりました。自らのコーヒーハウスで開いたお別れ会の受付でいただいたお礼状に、次のような文章が載っていて、涙を誘いました。
「ともに歩んだ幸せな日々をありがとう」
二十八歳の時に始めたコーヒーハウス「珈人(かじん)」。何事も究極を求めコーヒーについてももちろんこだわり・・・・。そして夫をよく知る常連の皆様と心通わせ親しんで頂きました。最近追究していたのは、写真だったでしょうか。野山を歩きながら美しい風景にシャッターを切っておりました。年に数回撮影旅行に出かけるのが珈人では唯一の連休。お気に入りの北海道や長野へ夫婦で出かけ、雄大な山々をカメラにおさめて満足げな表情をしていたものです。また娘二人の家族と、時に自身の姉も加わって賑やかな時間を過ごすことも楽しみのひとつでした。私の手料理でもてなし笑みを寄せ合った思い出は、夫の胸にもしっかりと刻まれているでしょう。昨年夏に体調を崩してからは、辛い思いもしたはずです。それでも夫は前を向いて歩みを求めてまいりました。早すぎる別れに涙がこぼれますが、今は溢れる感謝を込めて逝く背を見送ります。夫木原高明は平成二十七年二月二十一日、満六十四歳にて実り多き生涯に幕をおろしました。最後に、店を愛し夫とふれあい、お力添え下さった多くの皆様へ、感謝申し上げますとともに、今後とも変わらぬお付き合いを賜りますようお願いいたします。本日はご多用中お集まりいただき、誠にありがとうございました。略儀ながら書状をもって厚くお礼申し上げます。
お別れの会会場となったコーヒーハウスには入りきれない人で溢れ、故人が撮影した写真が沢山飾られていました。故人をしのぶスナップ写真がテレビ画面に流れていましたが、人混みで全てを見ることは出来ませんでしたが、わが家の2人の孫も若嫁やわが息子ともども度々登場して、私の知らない一面を垣間見ました。友人の弔辞や孫希心の「おじいちゃん遊んでくれてありがとう」も短い言葉ゆえに胸に堪え涙が止まりませんでした。春一番を待つように逝ったお父さんに合掌、合掌、合掌の、悲しい涙に暮れた一日でした。