人間牧場

〇恵方巻き寿司を食べる

 世の中は気の早い人や縁起を担ぐ人、それを金儲けにしようと目論む人など様々です。その最たるものはバレンタインデーですが、恋や愛がチョコレートとどう関係がるのかも分らぬまま、人がやるからと相変わらずノー天気なノリで、流行に流れる国民性には、首をかしげざるを得ないようです。
 明日は節分ですが、節分に「鬼は外、福は内」などといって豆まきをする風習は、子どものころから続いている風習として納得しますが、最近すっかり定着した恵方巻き寿司を食べる風習は、今まで私たちの暮らしに馴染んでいないだけに、ことさら「何で?」という疑問が湧いています。

玄関先に魔除けのオニグイを飾る孫希心
玄関先に魔除けのオニグイを飾る孫希心

 恵方とは縁起のいい方向をいいますが、切ったら「縁を切る」などと縁起が悪いので、太巻き寿司を丸々一本、恵方の方向に向かって食べるのは、食の細りつつある高齢な私たちには、とても真似ができるものではなく、子どもたちにもお行儀や躾の上からも余りお勧めできない、行儀の悪い食べ方のようです。
 節分を明日に控えた昨日、友人から太巻き寿司を一本いただきました。海鮮寿司のようで中の具は新鮮なハマチとイカの刺身に貝割れ大根と山葵を敷いて、出汁巻き卵焼きと一緒に巻いていました。昨日は早速夕食にこの太巻き寿司を食べようと思いましたが、さすがに一本丸々食べる自信がないため、縁起が悪いと分っていても、一口サイズに切り分けて妻と二人で食べました。

恵方巻き寿司
恵方巻き寿司

 恵方巻き寿司を食べようと宣伝したのは、コンビニのセブンイレブンだと聞いています。そのせいでしょうか、あちこちのコンビニには、早くから外の駐車場に恵方巻きの発売を知らせる幟が立て、あおっているようです。無宗教無信心な私には、恵方も恵方巻き寿司も余り興味がなく、昨晩食べた恵方巻き寿司も「しまった。恵方の方向を向かずに食べてしまった!!」と、今頃になって気付くお粗末さです。
 それでも昨日は、私が山から切ってきたオニグイの木を使って、私が作った厄除け飾りを、孫二人と一緒に玄関や神棚、仏様にに供えて手を合わせました。同居している長男息子は今年が四十二歳の後役らしく、友人と誘い合わせて菊間の遍照院という厄除けのお寺へ、お礼参りに出かけたようです。まあ何はともあれ、他力本願ではなく努力して、家族全員が無病息災でありますよう祈っています。

  「恵方巻き 寿司をいただき 食べたけど 困ったことに 縁を切り分け」

  「世の中は 何でもかんでも 金儲け 巻き寿司さえも 道具に使う」

  「歳の数 数えて今日は 豆を食う 70粒も とてもじゃないが」

  「わが息子 四十二歳 後役と 聞いて自分の 歳の多さに」

 

 

 

 

 

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