〇机の引き出しから出てきた印鑑
サインで決済する外国人とは違い、私たち日本人の暮らしにとって印鑑は、なくてはならない大事な道具です。重要な決済以外は印鑑さえ押せば、それがたとえ三文印であっても処理が出来て、双方が納得安心するのですから、考えてみれば可笑しな話です。私は印鑑証明が必要な時に使う実印の他、貯金通帳を作る時登録している準実印以外に、書類に押す印や講演等で持ち歩いている印、それに自著本にサインを求められた時使う落款のような印を目的に応じて使い分けています。
昨日机の下の引き出しを掃除をしていると、面白い印が二つ出てきました。一つは私が代表をしている21世紀えひめニューフロンティアグループのメンバーで出かけた韓国旅行の折、みやげ物店で買った木彫りの印です。印の周りに彫刻をしていて、定かではありませんが10年前当時5千円くらいだったと記憶しています。かなり大きな「若松」という丸印なので、日常的に使うこともなく引き出しの隅で眠っていましたが、この際持ち歩いている私の愛用の木のカバンに似合うようなので、これから講師用として使いたいと思います。
もう一つは篆刻印です。立派なケースに入ったこの印は、双海町出身で大阪に住む当時中年だった女性が、趣味の篆刻で石に彫ってプレゼントしてくれたものです。私の自著本サインに押したゴム印を見て、少し軽少と感じたようで、思いを込めて彫ってくれました。これは「若松進一」と彫ってあるので、私以外には使えないので私一代って感じです。字の余り綺麗でない私のサインでも、この印を落款のようにサインの下に押すと、見栄えがするのですから大したものです。最近はサインを求められることも少なくなりましたが、これからはこの印を毎日三枚書いているハガキにでも押そうかとも思いますが、はてさて受け取った人はどう思うでしょうか。
「引き出しの 中から印が 二つ出た これを使って これから生きよう」
「三文印 使っていても 印は印 相手信用 可笑しな話」
「篆刻と 木彫り彫刻 二つ印 凡人ゆえに 過ぎたるものと」
「印なくも 私の文字は 真似できぬ 下手か上手か 分らぬがいい」