〇寝過ぎは「ボケと糖尿病を招く」って本当かしら?
一年治めの九州場所が始まり、晩秋といわれるこの頃になると夜明けが遅く、日の入りが随分早くなって、夜の時間が長くなりました。長い夜の過ごし方はテレビを見る人、安眠を貪る人、読書にふける人、お酒を楽しむ人などなど人それぞれですが、先日テレビを見ていると「寝過ぎはボケと糖尿を招く」というショッキングな話題が報じられていて、思わず目と耳を向けて見聞きしてしまいました。
睡眠不足が肥満や糖尿病につながるという話は聞いたことがありますが、実は中年以降は寝過ぎにも注意が必要なようです。イギリス・ウォーリックス大学の研究によると、長い睡眠は脳を老化させることが明らかになったようです。その研究では50歳から89歳までの9千人を対象に、睡眠と脳認知機能の関係を分析、50歳から64歳では睡眠時間が6時間以下の人だけでなく、8時間以上の寝過ぎの人でも、記憶力と意思決定能力が下がることが分りました。
さらに64歳以上で認知機能の低下が見られたのは寝過ぎの人のみ、マドリードのコロンビア大学の調査でも、60代、70代で9時間以上眠っている人は、6~8時間睡眠の人に比べ認知機能が倍近く低下しているというのです。影響は脳だけでなく糖尿病患者が最も少なかったのは7時間睡眠の人たちでしたが、5時間以下の睡眠になると糖尿病は2.6倍、8時間以上の睡眠だと3.6倍に跳ね上がるのだそうです。
長時間睡眠が悪影響を及ぼす明確な理由は分かっていませんが、睡眠には浅いレム睡眠と、深いノンレム睡眠があって、短かかったり長かったりが一概に悪いのではなく、眠りの質が細胞の修復やホルモンの分泌に影響を与えるようです。「じゃあ何時間寝たらいいの?」といえば、25歳で7時間、45歳で6.5時間、高齢者で6時間が目安のようです。寝過ぎて頭がボヤーとしたことがあったことを思い返せば、寝さえすれば元気が回復するという今までの考え方は、少し古くなっているようです。
「人間は どれほど寝れば いいんだろう 疑問の館 寝つつ考え」
「寝過ぎると ボケに加えて 糖尿病 本当だろうか 疑いながら」
「8時間 境に多い 少ないと いってはいるが 私は少なめ」
「夜長く 感じる晩秋 この時期は 寝るのも楽しみ ひとつですから」