〇年輪塾秋の勉強会(その4)
今回は大洲藤樹会の会長である辻喜千治さんを講師にお招きしました。元学校長の辻さんは藤樹の研究家としても知られている人だし、これまで一年間の藤樹学習会に度々顔を覗かせ、ご指導をいただいているのですっかり顔馴染みとなって、これまで効けなかった話を途中10分間の休憩時間を挟んで3時間も、松本小番頭と亀本さんが用意してくれたパソコンスライドを用意して、分りやすくお話をしてもらいました。内容は多岐に渡っていて、幸いそれらの資料は清水さんを通じて昨日、私たち塾生にメール配信されているので、詳細なルポは避けますが、近江聖人中江藤樹の教えは次の4つが主流でした。
致良知(ちりょうち)
人は誰でも「良知」という美しい心を持って生まれています。この美しい心は、誰とでも仲良く親しみ合い、尊敬し合い認め合う心です。ところが人々は次第に醜い色々な欲望が起きて、つい良知をくもらせてしまいます。私たちは自分のみにくい欲望に打ち克って、良知を鏡のように磨き、その良知に従い行いを正しくするよう日々努力することが大切です。
孝行(孝行)
私たちの心や体は、父母からうけたものであり、父母の心や体は先祖から受け継がれたものです。それはもともと、大自然から授かったものです。孝行とは父母を大切にし、先祖を尊び、大自然を敬うことです。そのためには自らの良知を磨き、体を健やかにし、行いを正しくし、家族やまわりの人々と仲良く親しみ合うことが大切です。さらに子どもを温かい心でしっかりと育てることも孝行です。(親孝行=子孝行)。
知行合一(ちこうごういつ)
人々は学ぶことによって、人として行わなければならない道を知ることができます。しかし学んだだけでそれを行なわなければ、本当に知ったことにはなりません。物事をよく理解し、実行してこそはじめて知ったことになるのです。
五事を正す(ごじをただす)
五事とは「貌(ぼう)・言(げん)・視(し)・聴(ちょう)・思(し)」を言い、それを正すことは、和やかな顔つきをし、思いやりのある言葉で話しかけ、澄んだ目で物事を見つめ、耳を傾けて人の話を聴き、真心を込めて相手のことを思うのです、普段の生活や身の回りの人々との交わりの中で、自ら五事を正すことが、すなわち良知を磨き、良知に到る大切な道です。
年輪塾も10周年を迎えます。来年は1月17日年輪塾、6月13日田処大杉年輪塾、7月10日~12日中江藤樹のふるさと滋賀県小川村への修学旅行、10月3日~4日人間牧場10周年記念事業などなどが既に計画されていて、来年は忙しくなりそうな雲行きですが、知行合一、五事を正して頑張りたいものです。
「年輪を 刻むが如き 学びの場 知るに加えて 行いせずば」
「今回も 遠心力より さらに上 求心力を 随分高め」
「わが顔を 鏡に写し 見てみるが まだまだ修業 足らぬ思いに」
「五事正す ぼう・げん・し・ちょう・し 覚えたり あとは実行 知行合一」