〇夕日に魅せられて
何はさて置き、夕日のことになると夢中になる私を見て、妻は私のことを「夕日気違い」と呼んでいます。私はこれまで、そう言われても仕方のないくらい夕日にこだわって生きてきました。若い頃に金もないのに、島根県宍道湖嫁ヶ島に落ちる夕日を見に出かけたのを皮切りに、大阪四天王寺の夕日、新潟出雲崎の夕日、北海道留萌黄金岬の夕日、西伊豆の夕日、和歌山県白浜の夕日、長崎県崎戸の夕日、西表島の夕日など、全国の名だたる夕日を見る旅に出かけたものでした。
その結果、双海町の夕日もオンリーワンになりうると確信し、夕日を地域資源にしたまちづくりを、まさに「夕日気違い」となって推進した結果が、今のわが町の夕日に繋がったのですから、悔いなき人生といっても決して過言ではないのです。そんな過ぎ越し人生の集大成は、何といっても下灘駅とふたみシーサイド公園から見る夕日です、下灘駅は夕日のまちづくりの出発点となった所だし、ふたみシーサイド公園は空想の世界を現実世界にした造形場所です。
下灘駅は自宅から8キロほど離れていて、直ぐに出かけることは出来ませんが、ふたみシーサイド公園は自宅から1キロほどしか離れていないためわが庭のようなもので、思いつけば直ぐにでも出かけることができるのです。昨日は家の前に聳える双海町のシンボル本尊山が、夕焼けに赤く染まったのを見て急に思いつき、夕日を見に出かけました。昨日は超大型台風が近づく前の静けさでしょうか、空も海も道具立てには満点で、手持ちのデジカメで幾つかのアングルで写真を撮影しながら、夕日の美しさを思う存分楽しむことができました。
夕日は見る位置によって様々な表情を見せてくれます。またその表情を記録と記憶に留めるべく写真に撮るポイントを探すのは、短い時間ゆえにまた忙しくも楽しいひと時です。昨日はあちらこちらに夕日を見ながら恋を語っているのでしょうか、若いカップルの姿が見られました。一組のカップルと対話しながら夕日について薀蓄を話してあげると、感心しきりに話が弾みました。昨日は夕日が最後の一瞬まで見える最高のひと時でした。昨日見送った夕日が今朝は朝日となって昇ってくるのですから自然とは素晴らしいものです。