人間牧場

〇子どもからまちづくり取材を受ける

 最近はパソコンや携帯電話を使うデジタル人間が増え、このままだと紙に印刷されたようなものしか利用できないアナログ人間は、自然淘汰されるかも知れないと思うほどで、特にスマートフォンさえ持ち合わせていないし使えない、私のような古いタイプの人間は、どこか肩身の狭い思いがするのです。そんな時代背景もあって最近は人と出会って話をしていても、しょっちゅうポケットに入れた携帯電話の呼び出し音で中断され、対面よりも電話に集中する日本人の姿に、どこか違和感を覚えるのです。

 昨日は午前中高島屋で開催されている、松山五行歌会の展示会を見に行くため車を走らせていると、三秋峠を過ぎた頃、わがズボンのポケットに忍ばせている携帯電話が鳴りました。路側帯の広い所に車を止めましたが、上灘からそこまで走る短い時間内に、何と5件もの着信ですから、これはもう異常です。 5件目の処理を終えたところへもう一件、若い女性から電話が入りました。「双海町出身です。あなたのことは母から聞いています。松山に住んでいます。娘の夏休みの宿題で、子ども新聞の取材を小学生の娘がしています。人間牧場へ行きたいのですが今日は空いていますか」と要領よく話をしてくれました。「私はあいにく松山へ向かっていて留守です」と話すと、「松山のどこへ!!」「高島屋です」「高島屋で少しお時間を取ってくれませんか」「いいですよ。7階の展示会場で10時20分にお会いしましょう」と約束して再び車を走らせました。

高島屋のロビーで取材を受けた親子
高島屋のロビーで取材を受けた親子

 3階の駐車場に車を止めて7階会場へ到着して間もなく、女の子を連れたお母さんが現れました。「ここでは話せませんのでどこかロビーででも」と誘ったものの、年に一度か二度しか行かない高島屋のどこにロビーがあるのかさえも分らず、とりあえず高島屋内にある郵便局の窓口近くのロビーでお話をしました。女の子は少し大きめの手帳に質問事項を沢山書いて来ていたので、要領よく他のお客さんの迷惑にならぬよう少しトーンを低くして、30分ばかりお話をしました。最近は新聞も将来の活字離れに対応して、子どもに読めるような新聞作りに意を注いでいて、学校の授業でも子どもたちが取材に出、て学校新聞を書くようなことが多くなっているようです。

 今回は双海町のまちづくりをテーマの取材でした。どうしてまちづくりを始めようと思ったのか、どんなことに取り組んでどんな成果があったか、成功したり失敗したことは何か、何が問題点となっているか、将来はどうしたいかなどなど、まるで本物の新聞記者のように質問攻めに会いました。たまたま傍で私と子どもの話を聞いていた人、は愛媛大学農学部マネジメントコースの社会人学生として、5年前人間牧場へ来られことのある顔見知りの方で、私のデジカメで3人の写真まで撮影してもらい、懐かしく会話を交わしました。
 子どもに分りやすく話すことは容易なことではありませんが、幸い私は日常的に子ども体験塾などで子どもとかかわっているので、多分私の話は通じたものと思われます。名刺を渡し、「もし分らないことがあったら連絡をするように」と言ってお別れをしました。

  「子どもから まちづくり取材 受けながら 過ぎこし日々を 懐かし語る」

  「デパートの ロビーであれこれ 話する 横にいた人 私知り人」

  「失敗は なかったですか ドキリする 大人顔負け いいとこ突いて」

  「私でも 役に立つこと 少しある 今頃宿題 ねじり鉢巻」

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