人間牧場

〇旧温泉郡中島町を訪ねる(その4)

 NPO法人BLUE SEAの冨永正一さんからいただいたA4の紙に「島まるごと有機の島構想」と題した基本構想に次のようなことが書かれていました。

野忽那島
野忽那島

 現在、中島に於いては、過疎化、高齢化、少子化の波に押し流され、基幹産業である柑橘も、販売価格の低迷や園地の荒廃化、高齢化、後継者不足などにより、将来的にも悲観的な方向へと向かいつつある。
 この現状を少しでも打破するための構想として今後、将来性のある事業の一つとして着目したのが有機農業である。現在も長年に渡り有機農業の大家である泉精一氏が、宇和間地区で実践している有機農園(ゆうきの里)を発展させる為の構想として、普及しにくい原因を探りつつ比較的短時間で実現化できるのは、逆転の発想により過疎の島を逆手に取り、中島で一番小さい野忽那島を全て有機栽培の柑橘類や、無農薬野菜、自然飼育の鶏(有精卵)、ヤギ(雑草処理)、養蜂などを取り入れた「島まるごと有機の島」として全国に向けてアピールする、これは多分全国でも初めてのことと予想される為、ニュースバリューは高く、知名度を一気に高められる可能性がある。(幸い近年まで、シーサイド留学の島としてネームバリューは高く、発信しやすいメリットもある)。又観光面においては皿山展望台、ヌカバ海水浴場(赤手ガニの産卵)、灯台、地引網、釣、遊漁船などがあり、映画の撮影にも使われた島であり、アクセス面では松山からも近く他の離島に比べると便数も多く、受け入れ対策として宿泊所、食堂、レンタサイクルなどを整備していけばより充実した物となる。
 又メディアによって全国から有機農業に関心があり、静かな田舎(島)暮らしをしたい人たちや大学生のフィールドワーク(できれば愛大の試験農場)などで体験農業をしてもらい、将来の移住の可能性を広げる。(販路)有機農産物に関しては松山有機生協をメインに有機の島ブランドとして、インターネット販売(野忽那の柑橘農家は現在JAからはずれている)。(その他)野忽那の土壌の特性を考慮した農産物で尚且つ高収入の見込める産物を作ることが重要である。(候補として、生姜、玉ねぎ、らっきょ、柑橘レモン含む)、玉子、蜂蜜など、中島には6つの友人島があるが、中でも最も小さい島が野忽那島である。島まるごと有機の島構想を推進するに際し93世帯しか住んでいない野忽那は絶好のピンチをチャンスに変え得る地であり、農業人口も13人程度(4軒)である為、島全体を有機農業で売り出す事は、関係各位及び住民の協力と、熱意があれば必ず実現可能であると信じている。(原文のまま)

野忽那集落
野忽那集落

 富永さんの話を聞いて、島の現実の厳しさと将来への不安を垣間見ました。ほおっておいたら島の暮らしは朽ち果てます。しかし幾ら声高に叫んでみても、高齢あの進んだ島で、誰が共感共鳴して動くのだろうと思うと、理想の考えが引き戻され夢が萎んでしまうのです。「急ぎたいけど急げない」、富永さんのジレンマは続きそうです。はてさて「いつするの?、誰がするの?」と問われたら、「私しか、今しかない。今でしょう」と自問は自答になるのですが・・・・・・。「ウーン」。

 

  「有機島 作る構想 ご立派だ 誰がするのか? いつするのかと・・・」

  「構想は 急ぎたいけど 急げない ジレンマ続く いつ霧晴れる」

  「日本の 田舎どうなる このままじゃ 10年先は 希望も持てず」

  「日本の 政治貧困 島などは 眼中ないと 言わんばかりに」 

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