〇平凡なれど田舎暮らしは楽しいですね
「リンキャベ」という言葉は私の造語です。妻の用意してくれるリンゴ半個と洋食皿一杯の千切りキャベツを毎朝食べるようになって、もうかれこれ30年近くになりますが、リンゴとキャベツが体のどの部分に良いのかも分からぬまま、良いと信じて食べ続けているのです。リンゴもキャベツも物の本によると整腸作用があって、医者要らずなどと言われているようですが、「リンキャベ」という造語の響きも良く、目下のところ妻と二人で楽しんでいます。
最近妻はキャベツの千切りをゆっくり噛み砕いて食べる暇がないように、毎朝忙しく振舞う私を見て何を思ったのか歯切れのよいジュースミキサーを新調して、毎朝リンキャベジュースをしてくれるのです。
ジュースの中身は勿論リンゴとキャベツですが、最近自宅の家庭菜園に実をつけている甘夏柑の皮を剥いてジュースに入れてくれるのです。それまでミックスジュースのように甘かったリンキャベジュースは一転し、酸味と少し苦味が加わり、フルーティやトロピカルと表現していいのか、何とも不思議な味がして、夫婦2人がそれなりの味を楽しんでいるのです。
2年前長男家族4人と同居するためわが家のリフォームを行なった際、これまで使っていたダイニングを息子たちに明け渡し、私がそれまで書斎に使っていた南向きの部屋に私たちのダイニングを移転しました。そのお陰で総ガラス張りの南向きの掃き出し窓からは、中庭が綺麗に見えて緑を見ながら穏やかな気持ちで食事を、妻と二人でしているのです。
ダイニングの窓からは蜜蜂の巣箱も観察することが出来ます。また四季折々の木々のざわめきや小鳥の鳴き声も耳にすることができます。今は庭に植えた山モミジの新緑が目にも鮮やかで、風にそよぎキラキラと輝いて、初夏の季節を堪能することができるのです。
食卓には人間牧場で収穫した蕗の佃煮や自家製ハチミツが並び、自給率の上がった食を堪能しています。数日前高松市三谷の溝渕雅子さんに甘夏柑を送ったところ、早速PCネットで手作りのマーマレードの美味しそうな写真が届きました。無農薬の甘夏柑がこうして友人のお役に立っていると思うと、ついつい嬉しくなります。人間にとって季節の移り変わりを感じながら、日々を健康で楽しく生きれることに勝る喜びはありません。ああ今日もまた、平凡な田舎暮らしなれど、いいことがありそうな予感がする朝を迎えています。
「リンキャベを 夫婦揃って 食べる朝 近頃リンキャベ ジュースになりて」
「中庭の 四季折々を 見て食事 遠くコジュケの 鳴く声聞こえ」
「甘夏柑 届きましたと メール来る マーマレードの 写真を添えて」
「ああ今日も 平凡だけど 幸せと 感じる朝を 妻と二人で」