人間牧場

〇一週間で消えるもの

 今私の住んでいる伊予市では、市長選、市議選、県議選の真っ最中で、夜が明けてから夕暮れまで、それぞれ29人の候補者が入り乱れて選挙カーを走らせ、ボリュームを上げて連呼し、とにかく賑やかです。連呼は「立候補のごあいさつ」と「ご支援を宜しく」ですが、候補者の中には街中を歩いていると、突然選挙カーを止め、降りて握手を求められたりして、驚いたり恐縮したりすることもあるようです。
 わが家から一番近い地域事務所前の駐車場広場横には、トリプル選挙のためいつになく多い候補者の写真を刷り込んだポスターが、掲示板に掲示されています。いずれの顔ぶれもイケメンで、いいイメージを売ろうとする現われか、普通見かける顔とは随分違ったおすまし顔のようです。

地域事務所前に掲示されている候補者のポスター
地域事務所前に掲示されている候補者のポスター

 この掲示板や貼られたポスターを、製作するのにどれほどのお金が掛るのだろうと思うと、無駄な気もしますが、時々地域事務所に所用でやって来る人たちが、立ち止まって見ている姿を見ると、それなりの効果はあるようです。しかしあと今日を含めて6日もすると、無用の長物となって撤去される運命にあるのです。
 「今が過去になる前に今を記録する」、これはできそうでできないことです。このポスター掲示板に貼られたポスターの中から、少なくとも市長選1人、市議選2人、県議選1人の候補者が落選の烙印を押されるのでしょうが、当選と落選は天国と地獄ほどの差があると、落選経験者が語るほど厳しいものです。願わくば候補者全員が当選して欲しいのですが、そういう訳にも行かない社会のルールがあるのです。

 そんな意味もあって地域事務所へ行った折、掲示板に張られた候補者のポスター掲示風景を、一枚デジカメで撮影しました。特定の候補者の写真ではない風景なので、選挙違反にはならずむしろ選挙啓発のつもりでブログ記事に添付してみました。多分この写真は10年後、50年後貴重な写真になるかも知れないと、一人ほくそ笑んでいますが、1週間後には跡形もなくなる宿命のようです。
 私はこの週末、私が代表を務める21世紀えひめニューフロンティアグループが主催する「世界遺産を巡る旅」で、鹿児島県屋久島へ出かけるため、昨日の夕方既に不在者投票を済ませました。今日あたり親父を連れて不在者投票に出かけようと思っています。トリプル選挙だけに代理記載を頼まなければならない親父の投票は多少骨が折れますが、私の一票も親父の一票も、一票に変わりはないのです。

  「十年後 五十年後に この写真 貴重な資料 なると確信」

  「一週間 すればこれらは 撤去され 何事もなく 日々は過ぎ行く」

  「宜しくと いきなり握手 求められ おついしょ笑顔 お互い交わす」

  「手を振ると 手を降り返す 笑顔にて 喜びの声 マイク通して」 

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