〇夫婦二人で桜源郷双海の花見をしました
前日の夕方、親類の漁師さんから魚を取りに来るよう電話が入り、夕日が西瀬戸の彼方に沈まんとする時間に、下灘方面へ向かいました。双海町の海岸線は20年も前に自分が立ち上げた「花咲くまちづくり事業」によって植えた桜が、自分でも驚くほど沢山咲いて夕日に映えてまさに桃源郷ならぬ桜源郷といった感じで、思わず見とれてしまいました。今が満開の双海町のこの桜も、やがて雨が降れば散るのかと思えば、もっと愛でてやりたいと思うのは人情です。
早速夕食時妻にそのことを話し、「明日は昼休みを利用して双海町の海岸線の花見をして外食をしよう」と相談がまとまりました。
妻は仕事場から午前中の仕事が終った旨、私の携帯に電話を入れ、勤めている歯科医院の前で妻を乗せ海岸国道を走って車の中から桜を見せてやりました。「まあ綺麗!」と妻は桜の見事さに感嘆の声を連発していましたが、魚吉休み、潮路準備中、ラーメンショップ休みと月曜日であることを実感して、仕方がないのでシーサイドの夕浜館まで引き返し、いつも食べている半丼セットを注文して、窓越しに瀬戸内海やシーサイドの桜を愛でながら美味しく食事をしました。
食事が終ると潮風ふれあい公園の桜の見学です。毎年まるで定点観測のようにやって来る、千人塚の桜の見える丘に立って春の日差しと青空、それに眼下に広がる瀬戸内海をシチュエーションにした見事な桜を、今年も堪能することができました。
妻が「私たち夫婦はあと何年・何回桜を見れる春を迎えれるのかしら?」と唐突私に言うのです。そういえば年数的には私たち夫婦が迎えた春は60回以上を数えていて、60回以上桜を見た計算にはなりますが、それらを全て記録したり覚えている訳でもないので、85歳まで生きるとしたらあと16~18回しか見ることができない計算なのです。そう思えば間もなく散るであろう今年の桜をこうして妻と二人で見れたこと、写真に収めたことは、私たち夫婦にしてみれば、それなりに価値のある出来事なのです。
天気予報だと今日は無常にも雨だそうで、すっかり早くなった夜明けの窓越しに見える戸外は、ただいま5時39分ですがどんよりと曇っていて、今にも雨が降りそうな雲行きです。起きてきた妻が、「今日は雨かも。昨日はラッキーだったね」と、昨日の桜を見た証に撮った写真をパソコン画面で見ながら、多少照れていました。
「年一度 妻と二人で 桜見る 今年も綺麗 私も綺麗」(誉め言葉)
「あと何回 桜見れるか? 唐突に 妻が私に 投げかけハテナ?」
「昼休み 少し贅沢 外食で 花見と洒落る 初老の夫婦」
「植えぬ木は 育たぬものと 心得る 余裕できたら 桜の手入れ」