〇人間牧場の大掃除
人間牧場が完成したのは今から7年余り前の2005年(平成17年)でした。以来多くの人が、道も狭くてまるで隠れ家のような人間牧場へ、遊びや研修に足を運んでくれました。芳名録に名前を書いてもらったりカウントこそしていませんが、少なくとも5年前に発行した落伍ネタ本「夕日徒然草・地の書」が一年で千部完売したところを見ると、年間千人もの人が足を運んでいる計算になるのですから、これはもう予想をはるかに超える大きな大きな驚きです。
たまに私の留守中にやって来る人もいますが、私は来客のその都度人間牧場へやって行き、対応に追われるのですが、自宅から約10キロ、しかも殆どが山道とあって、どんなに近道をして急いでも15分、広い道をゆっくり迂回すると20分かかるので、往復小1時間といったところです。私は人間牧場を造ったのを機に4WDの軽四トラックを妻に頼んで購入してもらいました。4WDのトラックだと滅多に降ることのない少々の雪やぬかるんだ山道でも平気で走ることができ、何かにつけて便利です。
昨日は年輪塾生1号と呼んでいる浜田久男さんから、「年末なので人間牧場の大掃除をしよう」と、有難い申し出がありました。浜田さんは人間牧場ができてからおこがましくも私の門下生となり、以来殆ど毎年少なくとも年に2回は、私たち二人が「修行」と呼んでいる掃除にやって来るのです。故に浜田さんは人間牧場、特に水平線の家の掃除を、何処に掃除道具やワックスがあって、何処を掃除したらいいのか熟知していて、私と阿吽の呼吸なのです。
昨日は倉庫と板間の掃除、それに倉庫に積んである「夕日徒然草の整理をしました。特に自著本の整理はしっかりやっておかないと、本の販売収益で電気代や汲み取り料、草刈り費用などを賄わなければならないし、販売の収益が次の自著本出版の原資となるので、粗方の残部を調べたり、取り出しやすいよう念入りに整理をしました。
その後二手に分かれて窓拭きです。浜田さんはメインのスライド窓を、私はかまど小屋の窓を手分けして拭きました。お陰様ですっかり今年の汚れを落とし綺麗になりました。床の掃除や片づけをして4時過ぎに掃除を終わり下山、わが家で妻の入れてくれたお茶を飲みながら解散しました。
私と浜田さんが「修行」と呼んでいる掃除は修行の基本中の基本です。掃除も1万時間の法則で毎日やればその道を極めることができるのです。これは私がシーサイド公園の砂浜や水族館の水槽を毎日3時間、12年間続けた実践からの学びで実証済みなのです。掃除は自分のためにすることは勿論ですが、目に見えないやがて来る人のためでもあるし、折角造った有形の物を大事に長く遣うことでもあるのです。来年はどんな人がどんな思いで人間牧場へ訪ねてくるのでしょう。今からワクワクします。
今日は注連縄とお鏡を神棚に供えに再び人間牧場へ行き、今年一年の総括と感謝の祈りを捧げ、締めくくりたいと思っています。
「沢山の 人それぞれが やって来て 今年も盛況 顔々浮かぶ」
「修行だと 勝手に決めて 大掃除 友と二人で 一年の垢」
「押入れに 積んだ自著本 積み直し 今年もこれで 勝負をかける」
「拭き掃除 窓の向うは 冬景色 二人しみじみ 記念撮影」