人間牧場

〇ジュニアリーダーの育成

 昨日は地域事務所内にある公民館の図書室で、子ども教室のジュニアリーダー5~6人で、小さな小さな集会をしました。中学生にとって土日は部活や塾通い、間近に迫った入試等何かと忙しいので、集まることすら難しいのですが、昨日は学校行事の関係で、たまたま振り替え休日だったため、呼びかけに応じ集まってくれたのです。
 協議内容は今後のジュニアリーダー会の予定や、年末に福島県から双海町へやって来る、絆プロジェクトの受け入れなどについてです。細々ながらこの2~3年ジュニアリーダーを育成する努力をしていますが、前述のように今の中学生たちには時間的余裕がないようです。
 それでもジュースを飲みながら、お茶を飲みながら話をすると、みんなワイワイガヤガヤ大いに話をして、こちらへ向いてくれました。

 何年か前、私が双海町最後の教育長をしていた折、「双海の子育て10の約束」というのを作りました。当時は斬新な取り組みが県内で大いに話題になりましたが、平成の合併のドサクサで、大きな効果を得るまでには至りませんでした。しかし心ある人たちはこれを覚えているし、由並小学校の校長室にはきちんと掲示がされているのです。
 これは大人の子育て規範モデルですが、願わくば双海の子ども規範モデルを作りたいと、常々思っているのです。そこでそのモデルのモデルにしたいと思っているのが、会津若松白虎隊の什の掟です。会津若松では藩士の子どもたち10人前後が集まって「什」という子ども会のような組織を作っていたのです。その原本を赤石公民館主事さんにお願いし、ネットで調べてもらっていました。

什の掟

 什の掟は十項目かと思いきや、数字の十ではなく漢字の什なのです。古い時代の教えゆえ、最後の「一、戸外で婦人(おんな)と言葉を交わしてはなりませぬ」などは参考になりませんが、最後の締めの言葉「ならぬことはならぬものです」に強い意味が込められているようです。
 何年か前私は、地域づくり全国大会が佐賀県であった折、分科会で多久市へ行きました。多久市には孔子朝廟があって、子どもたちから大人までが、市を挙げて論語を勉強していました。「多久の雀は論語を語る」と言われるように、子どもの殆どが論語を暗記して、生活の中に役立てていて驚きました。
 会津や多久のような成果は得られなくても、双海町の子ども誰もが、決められたことを「ならぬことはならぬもの」と意識できたらいいと思いました。
 私はそんな思いはあっても、残念ながら今は無位無官なので、教育に挑戦するような大それたことはできませんが、せめて人間牧場で行っている子ども体験塾にやって来る子どもたちにだけでも、しっかりとした規範を教えてやりたいものだと思いました。

 昨日はジュニアリーダー会が終ってから、子どもたちを下灘まで送って行く車に同乗して下灘小学校へ行きました。前々日の「山の向うに何がある」という、子ども教室体験塾のウォーキングに、下灘小学校の教頭先生以下何人かの先生が参加していただいたので、そのお礼方々の訪問でした。職員室で皆さんを交えて楽しいお喋りをして帰りましたが、子育ては学校だけで出来るものではなく、家庭や社会、学校が相互補完してこそ成り立つものだと実感して帰りました。早速人間牧場での「什の掟」ならぬ「子どものまもり事」くらいを、来年春までに考えてみたいと思っています。

  「リーダーを 育てることは 大変と 思いながらも 手間暇かけて」

  「什掟 見本あれこれ 詮索す あれこれならぬ ことを考え」

  「とりあえず 人間牧場 集まりし 子どもに教え 広めて行こう」

  「子どもゆえ 言葉通じぬ もどかしさ ゆえにシンプル 思い巡らす」

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