○カボチャ泥棒
昨日は梅雨の合間の晴れ間とでも言うべき上天気で、久しぶりに夏の暑い太陽が照りつけ、湿りがちだった畑の表土も少し乾き、夏野菜たちも少し元気が出たみたいでした。このところの雨で地盤が緩んだせいか、それともイノシシが悪戯して坂から蹴落としたのか、果樹園の隅に一抱えもあるような大きな石が落ちて鎮座していました。よくぞ畑で野良仕事をする親父や私に落石が当らなかったと、首をすくめてしまいました。早速一輪車と大きなハンマーを倉庫から取り出して、石を動かせる程度に叩いて割り、一輪車に積んで清水が湧く裏山へ処分しました。
ふと見ると昨日まであったカボチャ畑のカボチャが、全てなくなっているのに気がつきました。このカボチャは4月下旬にトマトやナスやキューリと一緒に植えたものです。カボチャはつるが手当たり次第延びて場所を取るため、イノシシ柵のない果樹園隅の畑に植えていましたが、ここにはイノシシ除けの柵がないのです。畑の中には無数の足跡があって、イノシシの仕業であることがよく分かりましたが、被害届を出すことも出来ず、今年も悲しい思いで泣き寝入りするしかないのです。今年は例年になくカボチャの出来が良かっただけに、返す返すも残念でなりませんでした。
昨日地域事務所で宮栄公民館長さんから聞いた話だと、日尾野に住む宮栄さんの畑では早くもサツマイモがイノシシの被害に遭ったそうです。普通の年だとサツマイモが被害に遭うのは、収穫間近な秋の頃なのですが、サツマイモはまだ小指ほどにも育っていないこの時期に、被害に遭うのですから、野山で活動するイノシシにとっては、北朝鮮のように余程食糧事情が困窮しているようだと、大笑いをしながら話をしました。昨日の夕方宮栄さんは沢山のトマトをわが家へ持って来てくれました。イノシシの被害に遭う前に収穫したそうで、完熟一歩手前のものでしたが、家族みんながトマトは大好物なので早速いただき始めました。
この時期なのに今年は秋の季語であるアキアカネトンボが、田圃の上を沢山飛んでいるのを見ました。妻と二人の散歩コースとなっている翠小学校に通じる県道沿いの畑には、イノシシがのたうった無数の足跡が無残な姿をさらけ出していました。田圃も梅雨が明けると米の花といわれる早生系米の穂が出始め、季節のめぐりの早さを実感するのです。田圃の周りには早くもイノシシの被害に遭わぬよう、目の荒い防護用の網や電気柵が登場しています。嘆かわしい人間と有害鳥獣の仁義なき戦いが始まっているのです。
さてさて、わが家の菜園や人間牧場の芋畑でもそろそろイノシシの被害を想定して、被害防護訓練をしなければならないようです。「食われて泣くより食われる前の備え」という言葉も田舎ではすっかり名言になりつつあるようです。
「今年早 イノシシ被害 カボチャ遭う 今頃彼ら 舌をなめつつ」
「イノシシは 夜襲奇襲が 得意ゆえ のんびり人間 叶うはずなし」
「カボチャ等 イノシシメニュー ないはずと 鷹を食ってた 私が悪い」
「畑には 大きな石まで 蹴落として オリンピックに 出ればメダルだ」