○口の中の歯は何本
毎朝起きるとパジャマのままで、「お手洗い」と書くトイレに行って用を済ませ、着替えて新聞を読みながら食事を終えると、傍の「面を洗う」と書く洗面所で歯を磨いて顔を洗います。無意識のように殆んど毎日行なうこれらの動作はすっかり習慣になって、余程のことがない限り忘れることはないのです。
今朝洗面所の鏡に向かって歯を磨きながら、「歯は一体何本あるのだろう?」と、別に考えなくてもいい疑問が湧き、口を大きく開けて数えていると、妻が「お父さん何しているの?」と横槍を入れてきました。「お前のお父さんではない!」と悪態を叩きながら「歯の数を数えている!」と返すと、妻は近所の歯科医院にパートで勤めていることもあって、「人間の歯は上下合わせて32本」と教えてくれました。おぼろげながら「32本」という数字は覚えていたような気がするのですが、あらためて歯の本数を確認することが出来ました。
歯には前歯上下12本と奥歯上下20本があって、それぞれ役割が違うようです。奥歯は臼状になっていて、主に穀物等を食べるのに便利なように出来ているのだそうです。また中切歯と側切歯は野菜や果物を食べるのに、犬歯は肉や魚を食べるのに適しているのだそうです。
妻から面白い話を聞きました。この歯の役割比率が日本人の食べ物の比率だと言うのです。つまりご飯やイモ類のような主食は20本÷36本×100=62.5%、野菜や果物は8本÷32本×100=25%、肉や魚は4本÷32本×100=12.5%だそうで、日本人の胃や腸などの内臓はこの歯の比率の食べものを食べるように出来ているそうです。
「へえーそうなんだ」と感心しつつ、毎日無造作に食事を作っていたものとばかり思っていましたが、日本人たる私の体の仕組みに合わせて、大まかな食べものを調理している姿に、わが妻ながら感心や敬服をしてしまいました。
最近日本人に糖尿病などの成人病がやたらと多いと聞きます。食事が全ての原因ではありませんが、その主因が食事であることは疑いのないことで、欧米で日本食の素晴らしさがが見直されていることもそれを物語っているようです。
日本人は長年をかけて日本の風土に合うよう体型も内臓も進化をしてきたのです。ところが日本人の食生活が暮らしが豊かになったせいもあって、この60年で欧米化し、米食がパンに変わり、肉や油、砂糖などの消費量がどんどん増えてきて、野菜や魚を取る量は極端に減ってきたし、味付けの濃い外食を食べる機会も多くなってきたのです。草食系の日本人は外国人に比べ、腸の長さが長いといわれています。腸の長さが草食に適しているのに、肉食系食事になると、食べたものが腸内に留まる時間が長く、消化不良を起こしてしまうことが成人病に起因しているという話を聞きましたが、納得です。
歯の本数は大事なことを教えていると感じながら、今朝も食卓に向かい妻の出してくれた食べものを、普通以上に意識してよく噛んで食べました。「噛」=口+歯」とは面白い漢字に納得しました。
「洗面所 ア~ン口開け 歯の本数 何をしている? 妻首傾げ?」
「歯の本数 それぞれ意味が あるという 電卓叩き 割合調べ」
「歯の割合 合わせて食事 作る妻 あんたは偉い 俺が選んだ」
「口に歯と 書いて噛むとは 誰の作 漢字いちいち 納得しつつ」