shin-1さんの日記

〇井伏鱒二とジョン万次郎漂流記

 福山市から「食のブランド化講演会」に招かれて出かけました。カーナビに電話番号で入力していた通り国道2号線から右折して間もなく、怪獣となっているまなびの館ローズコムという鉄筋4階建ての立派な建物に到着しました。講演会は午後7時からでしたが少し早めかなと思いつつ、指示されたとおり担当者に携帯電話で連絡し、駐車場へ車を入れ、待ち合わせ場所である1階の図書館ロビーでくつろぎました。

 図書館はとても立派で、特に外の公園と一体になるような、総ガラス張りの窓際には個人学習用の机がいくつも置いてあり、満席の状態で読書にふけっていました。

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(まなびの館ローズコムの前景)
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(図書館ロビー)
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(素敵な窓際の読書環境)

 長いロビーの椅子に持っていた木になるカバンを置き、図書室内を一巡しましたが、ロビー近くの書架に福山市ゆかりの人たちの本が置かれたコーナーがありました。その中に小説山椒魚で有名な井伏鱒二を見つけました。そしてその作品の中に「ジョン万次郎漂流記」があるのを見て驚いたのです。凡人の私には井伏鱒二が福山市出身であることすら知らなかったのは当然ながら、私の人生においてもっとも大きな影響を受けた本である「ジョン万次郎漂流記」で井伏鱒二が直木賞を取ったことさえ知らなかったのです。

 その本は1938年に出版されています。私の誕生年が1944年ですから生まれる6年も前に世に出ているのです。手にとって初版本を捲り読みしましたが、私が小学校5年生の時読んだ伝記集とは少し様子が違っていました。それでもこの本が縁で30歳になったらアメリカに行こうと決意し、青年の船に乗って建国200年のアメリカへ本当に行けたのですから、このコーナーで本を見つけた時の驚きは相当なものでした。

 多分私は旅先でのつかの間の出来事ながら、2010年3月3日17時のこのことは一生忘れないでしょう。

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(井伏鱒二コーナー)
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 「若松さんですか」という迎えに来た素敵な女性の言葉にふと我に返りましたが、旅先での意外な発見に私のボルテージは高まったままでした。そして市長さんや課長さんなど次々と控え室に見えられた市幹部との面談を終えてから以後の講演も、井伏鱒二効果なのでしょうか、まあ何とかその攻めを終えることが出来ました。

 私の手元に井伏鱒二作「ジョン万次郎漂流記」はないため、早速インターネットアマゾンでこの本を取り寄せ、出来るだけ早く読みたいと思っています。


  「旅先で 井伏鱒二の 本出会う 鳥肌たって 本を立ち読み」

  「余りにも 知らなさ過ぎる この人が 訪ねた街の 出身なんて」

  「ひょっとして この本なくば アメリカを 目指す夢など 見ず済んだかも」

  「ああ嬉し 謎が解けたと 安堵する 早速本を ネットで注文」

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