shin-1さんの日記

○外に出てわが町を知る

 自分の町から外に出て旅の途中に、何気なく手にしたパンフレットや、壁に貼ってあるポスターを見て驚いたことが何度かあります。パンフレットやポスターの写真に見覚えがあるからです。先日環境省の仕事で三重県御浜町へ行く途中、トイレ休憩と昼食のために立ち寄った高速道路のサービスエリアで、同行した環境省の職員が一枚のチラシを見つけ、私に「双海町の恋人岬が載っています」と渡してくれました。

 そのタブロイド版8ページ立てのチラシは恋人の聖地を特集したもので、全国の恋人の聖地が紹介されていて、恋人の聖地の選定にかかわった桂由美さんと假屋崎省吾さんからのメッセージが特集されていました。さすがに首都圏にある街でもない田舎町の双海町は、写真の隅に百選に選ばれている伊予灘サービスエリアとともに言い訳程度の掲載なのですが、特にシーサイド公園の写真は手前味噌ながら、「行ってみたい」と思うような一枚で、その存在感を示していました。

若松進一ブログ
(左隅に小さな写真が載っているだけなのに・・・・)

 この写真は、かつて私が恋人岬を発想し整備したモニュメントの穴に夕日がスッポリ入った印象的な一枚で、夕日夕やけフォトコンテストで特選に輝いた一枚なのです。写真一枚がどれほどの主張をするかは、広報や観光に長く携わった私には痛いほど分るので、ある意味「中々いい写真じゃない」と少し鼻を高くしました。車内では暫くはこの話で持ちきりとなり、沢山の裏話を饒舌に話しました。

 偶然でしょうか何年か前、これと同じような体験を紀州和歌山へ講演に行く途中の列車の中で体験したことがあるのです。列車に乗れば吊革付近に色々な吊り広告が目に止まります。その中に一枚列車のダイヤ改正に伴なう時刻表広告が載っていました。その横に青春18きっぷのキャンペーンポスターが貼ってありました。何とその時刻表裏表紙とポスターに見覚えのある下灘駅の写真が使われていました。

 とっさに立ち上がりそのポスターをまじまじと見ながら、傍に座っている田舎のおじさんやおばさんに、「この写真の駅は私の町の日本で一番海に近い下灘駅です」と、聞かれもしないのに自慢タラタラ話をしました。ふと我に返って赤面したことが懐かしく蘇ってきました。

 こんな風に外に出て自分の町を再発見することがたまにありますが、何となく気分がいいもので、帰りにわざわざ和歌山駅に降りて駅員さんに、「あのポスターをはがして不要になったら送ってくださいませんか」と交渉し、1ヶ月後送ってもらったポスターは、私の大切な宝物として額に入れ人間牧場へ運んで、全国から来た人に見せているのです。

 「ふるさとを輝かせたい」、そんな思いで様々な仕掛けを仕組んだ昔が懐かしく思い出される今日この頃です。


  「立ち寄った サービスエリアで 見たチラシ わが町堂々  載ってて嬉し」

  「そういえば 何年か前 列車にて わが町見つけ 興奮したっけ」

  「わが町を 輝かせたい 一心で  色々仕掛け 昔懐かし」

  「ふるさとは 遠くにありて 思うもの そうかも知れぬ 納得しつつ」


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