○魚のおすそ分け
昔から漁村では門日、つまり祭りや正月などのハレに日の前には魚の値段が上がると言われていました。今のように冷蔵庫が普及していなかった時代ですから、庶民は祭りや正月用に魚を買って食べるため値段がつり上がったのです。しかし冷蔵庫の普及もさることながら、庶民の日々の暮らしが豊かになり、食べようと思えば毎日だって魚や肉を食べれるような裕福な暮らしをしているのです。ゆえに祭りだからといって値段が上がり儲けるようなことは殆どなくなりました。それでも秋祭りになると私の家にも親類の漁師さんが、普通は高くて余りくれない鯛やヒラメなどの高級魚を持ってきてくれるのです。今年の秋祭りには鯛を沢山貰って鯛をたらふく食べ、漁師町に住んでいることや親戚に漁師さんがいることを喜んでいるのです。
そんなハレの日である秋祭りも先週終わり、私たちの暮らしも漁師さんたちの操業も元に戻って落ち着きを取り戻してきましたが、祭りの反動で少し魚の値段が下がるため、今度は大衆魚が安くなるのか、昨日もその前の日もトロ箱に2つづつ「アマギ」という魚が届きました。スーパーなどでは「シズ」という名前で店頭に並んでいますが、この魚は炊いてよし焼いてよし、酢漬けやから揚げによしと三拍子も四拍子もわが家が好む魚なのです。でもトロ箱に一杯貰ったところで食べきれず、知人友人におすそ分けするのです。昨日もその前日も夕方漁船が漁から港に帰ったころ電話が入り軽四トラックで取りに行き、あちらこちらに配って歩きました。大洲の友人などは酪農をしていて夕方は乳しぼりで忙しいため、奥さんが勤務の帰りに立ち寄るなど大変迷惑をかけてしまいましたが、山里の魚が少ない地域だけに甘んじてに来てもらいました。
幸いわが家には家庭用としては大きな冷凍庫があります。魚をいただく度に妻は私の協力(少し)を得て、魚を下ごしらえして小分けして冷凍保存するのです。私の親父は元漁師なので毎日魚が食卓に必要で、余程のことがない限り刺身や煮付けなどを毎夕隠居へ運ばなければなりません。そのためにも魚は必需品なのです。お陰さまで自家用冷凍とは言いながら毎日美味しい魚が食べられるのです。
私は貰った魚をおすそ分けに配るのですが、配られた人は私から貰ったと勘違いをして私にみかんや野菜をくれるのです。昨日もいただきましたが、極力いただいた分のおすそ分けを、魚を貰った漁師さんに盛って行くと、私にもらったと勘違いし、勘違いが勘違いを生んで魚が届くという、なんとも面白くて良好な人間関係が続いているようです。
私も肉は殆ど食べずお魚党です。毎日魚は飽きずに食べています。お陰さまで日々健康に暮らせると信じて今日も元気に過ごしています。
「おすそ分け 貰った魚 おすそ分け 頂き物を またおすそ分け」
「軽四の トラック重宝 しています 魚を積んで あちこち走る」
「最近は 駄目な亭主も 変身し 魚さばいて 手助けしてる」
「お魚の DHAが 働いて 最近健康 すこぶる元気」