○秋の夜長を語り合う
請われるまま講演や会議などが予定されている日程の空いた曜日や時間に、人との出会いを入れて行くものですから、私の予定表は現職時代以上に日程が詰まって、毎日忙しく振舞っています。まあこれも元気だから出来るのだろうと諦めていますが、今では自分の自由時間が取れず多少オーバーワーク気味なので、調整したいと思っています。
昨日はメルパルクでの講演が終わってからその足で、来月7日に予定されている年輪塾公開セミナーの打ち合わせと称して市駅の裏にある「ふじ」という米湊大番頭行きつけの居酒屋へ7人ばかりで集まりました。いつものことながら打ち合わせは口実で、実際は酒を飲みながら積もる話をしたいだけなのです。米湊大番頭に店の場所をあらかじめ聞いていたので迷うことなく一発で居酒屋を発見し、有料駐車場へ車を止めて店の暖簾をくぐりました。私が一番乗りです。初めての店なので女将さんや店員さんと雑談をしていると間もなく一人二人と集まり予定された7人すべてが集まり、乾杯をして酒盛りが始まりました。私は昼ご飯を食いっぱくれていたため、出されて料理を食べながら、酒の飲めない憂さを晴らしました。
気心の知れた仲間との歓談は楽しく、飲みながら自分の持ち場の説明や議論を繰り返し、7日の大まかな進め方が見えてきました。事務局を務める松本小番頭の微細な計画は非の打ちどころがなく、安心して任せていますが、他の人はむしろ型破りな発想にしようと目論んでいるので、議論百出でした。
秋の夜長も深けて9時近くなったので、新宮から来た大西さんも、勿論明くる日大学の授業がある私もそろそろお暇と相成りましたが、大番頭たちは更なる詰めが必要とばかり、松山の闇夜に消えて行きました。
最近は毎日毎晩のように忙しい小番頭も体格体力的には心配もないのですが、家庭のこともあって、出来る限り私が乗せて帰るよう心がけているのです。昨晩も私の車に乗って積もる話をしながら伊予市の彼の自宅前まで送り届けました。
小番頭もセンターに出向して3年目の秋を迎え、いよいよ残任期間が半年となりました。この2年半縁あって私が代表を務めていた団体の事務局を担当していましたが、今はその任を解かれて別の仕事に意欲を燃やしているのです。人材として順調に育ってきているので、温かくも時には厳しく見守ってやりたいと思っています。
酒を飲んでいた昔なら「もう一軒」と梯子をし、その挙句は10円タクシーと呼ばれた妻の迎えに甘んじていましたが、今はそれもなく自分で帰るために、家に帰ると必ず「早かったのね」と妻のねぎらいの言葉が返って来るのです。家に着いたのは10時近くですからそんなに早い帰宅とは思えませんが、その言葉を聞くたびにホッとするのです。
素面故、その日の出来事を逐一妻に話して聞かせてやります。他愛のないことも話しますので、私の友人のことは大体理解しているようです。これから自分の仲間の数も加齢とともにどんどん減って行くことでしょうが、私以上に私の友人のことを思いやってくれる妻に感謝せねばなりません。
昨日の秋の夜長はまた、次につながる楽しい思い出ができたようです。
「秋夜長 人が恋しい 季節です 飲むほど酔うほど 話大きく」
「酒飲まず お茶で付き合う 夜長かな こちら素面で あちら呑み助」
「もう一度 呑み助なって 皆のように 憂さを晴らして みたいもんだな」
「打ち合わせ ほんの少しで 茶を濁す 飲み会なんて そんなものです」