○高松矯正管区管内篤志面接委員研究協議会に招かれて
聞いただけでは覚えられない、しかも文字を読んだだけではどんな団体の研修会なのか、自分にも分りづらい研修会に講演で招かれ道後のホテルメルパルクへ出かけて行きました。はてさてどんな話をしようかと少し不安な気持ちで会場へ入るなり、「進一君元気」と声をかけられました。既に白髪となった初老と思しきその人は私のいとこなのです。「えっ、何であなたがここにいるの?」と一瞬思いましたが、そういえばこのいとこは刑務所の刑務官として長年勤め、刑務所の所長を最後に退職し、郷里松山に帰って東温市に住み、家裁の調停員などをしているときいていましたが、まさかこんな所で会おうとは意外でした。
私も詳しいことは分りませんが、7月の半ばころ松山学園つまり少年院の所長さんが篤志面接委員の会長さんと一緒にわが家へ講演依頼に見えられ、少しだけ聞いた話によると、篤志面接委員とは「受刑者、少年院在院者に対する篤志面接活動を充実発展させることにより、これらに人の改善更生と円滑な社会復帰を図り、もって再犯の防止を通じて社会福祉に貢献する」ことを目的の団体のようなのです。つまり罪を犯した人の更生や社会復帰の指導助言をする人たちの集まりだと理解しました。
四国管内の篤志面接委員と施設関係者が100名近く集まる集会に「あなたが何で?」と妻も言いましたが、「呼ばれたら刑務所以外何処へでも行く」などと日ごろから戯言を言っているのですが、昨日はホントに刑務所関係に招かれてしまったのです。
(参加した篤志面接委員は立派な方ばかりでした)
「地域社会における人づくり」という演題をいただき、1時間ばかりお話をさせてもらいましたが、お堅い集会にもかかわらず笑いも聞こえる楽しいお話をして何とか終わりましたが、妻が言うように私のようなズッコケた人間には少々格調が高い集会だったようで、少しだけ反省をしています。しかし参加した人からの演壇への反応はすこぶる良く、大きな拍手をいただいて会場を後にしました。
最近は広島の少年院での看守による事件などもあって、その存在が明らかになっていますが、いつの世にも犯罪は絶え間なく起こり、その度に周りの人が深い悲しみを持つのです。そしてその罪を犯した人を立ち直らせて社会に復帰させ、二度と罪を犯させないよう陰ながら努力する人たちがいることを、私たちはもっと知って感謝すべきだと思いました。昨日は心洗われるいい一日となり、講演には招かれたけどこちらが勉強になり感謝しています。
「受刑者の 更生力 貸す人に 出会い心を 洗われました」
「最近は 少年犯罪 多くなり 深い悲しみ 社会を覆う」
「妻が言う 何であなたが? そんな会 話す自分も 妻と同じで」
「呼ばれたら 刑務所以外 何処へでも 戯言笑い 本当なりて」