○「お時間です」というメモの波紋
昨日は年金友の会の研修会に招かれ大洲へ行きました。そこでとんでもないハプニングがありました。主催者から前もって「2時ころに来てほしい」という連絡だったので、30分前の1時30分に会場となっていた大洲総合福祉センターへ到着しました。プログラムには13時05分から私の特別講演と書いていたので、その通りになりだろうと思っていました。ところが私の前の人が少し長く話したのでしょうが、私の話が始まったのは2時30分近くでした。司会をしていた方が顔見知りだったため、押している時間を気にされて私の紹介は「ご存知の方」程度に抑えて話が始まりました。
1時間の講演時間と聞いていたので、始まってから1時間、つまり3時30分まで話をするべく自分に暗示をかけて話を進めました。ところがいよいよ話しの佳境に入った3時15分にいきなりステージの隅から係の人が、「もうお時間です止めてください」というメモを手渡されました。後10分の話は話をする人間にとってまとめになるとても大事なエキスの部分なのですが、主催者からの待ったですから1~2分お話をして仕方なく講演を打ち切りました。私にとっても聞く側にとっても昨日は後味の悪い講演となってしまいました。運の悪いことに昨日は帰る途中双海町満野の津田酒店前海岸国道でパトカー5台、救急車もも出動するような大変大きな交通事故があり、通行止めの列は延々長浜町今防を超えていました。ノロノロ運転が続き現場を通り過ぎるのにかなりの時間を要し、夕方の会場掃除が気になりながら帰宅したのです。
ほぼ万弁に一年中講演活動を行っている私が一番気にして守っているのは講演の終わりの時間です。私が受講者という反対の立場になった時、終わる時間を守らない講師の話はいくら内容が良くっても、興ざめしてしまう経験を何度もしているからです。始まる時間は主催者が決めるので講師はどうすることもできませんが、終わりの時間を守るのは講師の責任なのです。
退職して4年半があっという間に経ちました。その間毎年のようにほぼ1カ月に10回程度、つまり年間120回も壇上に上がって話をしていますが、この4年半で初めて味わったメモの投げ込みに少なからず動揺を覚え、自分自身では後味の悪い講演会になってしまい、受講者にすまない気持ちでいっぱいです。
私の後には有名人の落語が予定されていたようで、私の話の時間より本命と目されている芸人の話しの方が主催者にとっても参加者にとっても楽しみだったに違いないと、自分の非力さに納得した一日でした。
でも収穫もありました。「毎日三枚のはがきを書いたら幸せになれる」という広島に住む半田さんの話をしましたが、会場内に半田さんの近しい親戚の人が来ていて、帰りに感想や半田さんの近況を聞くことができました。立ち話だったので詳しいことは分からず断片的でしたが、火事に遭ったこと、大切なハガキなどがほとんど焼失したことなどを話されていました。今日にでも見舞いのハガキを出そうと思っています。
毎回のように自宅へ帰ると妻が、「今日はどうだった」と聞いてくれます。その都度その日の感想を話すのですが、「今日はちょっと物足りなかった」と話すと、気持ちを察してか優しいねぎらいの言葉をかけてくれました。「そうだまた頑張ろう」と心を新たにし、煙会所に仲間を迎え入れる準備をしました。
「時間です いきなり貰う メモを見て 時計の針は 残りあるのに?」
「どうだった 妻が声かけ してくれる 物足りないと ポツリ一言」
「まだまだだ 修行足りぬと 自戒する 次はしっかり 肝に銘じて」
「落胆の 気持ち引きずる 途中にて 事故で渋滞 少しうんざり」