○かまど小屋完成とかまどの火入れ
今年の8月2日に着工していた人間牧場のかまど小屋とかまどがこのほどやっと完成し、昨日お世話になった左官さんのご家族を招いて簡単な火入れ式を行いました。「お父さん、かまどは大事だから神様のお祓いを受けておかないと」という妻の助言を元に、氏神様である天一稲荷神社の宮司さんに拝んでもらい、授かったお札を窓辺に供え、更には75歳の左官さんが塩とお神酒を供え、みんなで敬虔な祈りをしていよいよ初釜です。
前もっておかまの中の広さと深さを測って薪を割り、焚きつけに杉葉を拾うなどして用意周到に準備をしました。何せ初釜ですから、失敗せずマッチ一本で着火するようにと心がけました。みんなの見守る中私が火をつけ、火は次第に大きな災となってクドの中で赤々と燃え始めました。かまどは二連式なので同じようにもう一方にも火を入れましたが、火の引き具合、煙の出具合など、何度もあちこちを点検しながら左官さんとかまどのでき具合を調べました。
お釜はアルミ製で息子が購入してきた説明書には最初米の研ぎ汁を入れてお湯を沸かしてから使うようにと書いていたので、その通りにしました。
(最初は米の研ぎ汁で空炊きです)
この日の朝、四万十市西土佐の親友和田修三さんがわざわざ130キロの道のりを、奥屋内の篠田幹彦さんが手塩にかけて育てた新米を一袋持参してくれました。和田さんとは20年来の付き合いで、今年の春には草刈り十字軍として人間牧場の草刈り作業にも参加してくれていますし、年輪塾ネットのメンバーでもあるので、ネット上で私がかまど小屋を造っていることを知っていたのです。何はともあれ友人の心温まる差し入れに感激しました。
この米を取り出して息子は米を研ぎました。そして湯釜のお湯を捨てて早速飯炊きです。水加減は左官さんの奥さんと娘さん、火加減は左官さんが担当してくれました。ご飯は僅か20分ほどで焚き上がりました。火蒸しをしたお釜の蓋を開けると何とも言えないほのかなご飯の香りがかまど小屋の中に広がり、どこか子どもの頃の懐かしい思い出が蘇ってきました。
本当は茶碗でご飯を食べたかったのですが間に合わず、息子は用意した紙のお皿にご飯を注ぎ分け、早速みんなで試食会です。味噌汁も漬物もない、ご飯だけのシンプルな試食ながら、ご飯の美味しさは格別で、夜勤で少し遅くなった次男を含めた7人でご飯はあっという間に底をついてしまいました。特に孫希心は美味しかったのか沢山食べて満足そうでした。
(愛大病院に勤める本田左官さんの娘さんも駆けつけてくれました)
(ウッドデッキで炊きたてのご飯を食べました)
(焚きたてのご飯を美味しそうに食べる孫希心)
わが家は私で4代目ですが、5代目の長男息子一心と6代目の長男息子孫希心の三代が見守る中での火入れでした。五年計画で進めてきた人間牧場の整備もこれでやっと最終章です。設計を手掛けた息子のこだわりもあって、今回のかまど小屋およびかまどの築炉には思わぬ予想い以上の出費となりました。最後は少し妻の援助をいただいてしまいましたが、幸い21世紀えひめニューフロンティアグループの絶大なる援助を得て完成することができました。
リタイアして5年目の秋を迎え、65歳という私の人生にとって区切りとも思えるこの時期に、夢が一通り実現したことは大きな喜びです。先日ある人から「あなたの次の夢は何ですか」と、唐突に尋ねられました。65歳の今日まで夢に描いていた夢をことごとく手に入れてきましたが、当面は自分が85歳まで心も体も健康に生きること、人間牧場を使って家族や社会に恩返しすること、思いつきで始めた落語ならぬ落伍の小話を150話作りながら夕日徒然草火の書・風の書・空の書を出版公演すること、4年間続いているブログ「shin-1さんの日記」を10年間書くことなどなど、平凡と思えることを毎日続けながら非凡に変えて生きて行きたいと思っています。
「二ヶ月半 やっとの思い 完成す かまど火を入れ 命吹き込む」
「四万十の 里で育ちし 新米を わざわざ持参 友に感謝し」
「息子・孫 私含めて 三代が 見守る果報 大事にしたい」
「飯を炊く 湯気の匂いに 亡き母の 顔が浮かんで 少ししんみり」
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光栄です。西土佐米を炊いていただきまして有難うございました。進ちゃん弟子の超末席に座す小生を親友といわれるのは、何ともこそばい感じですよ。昨日は四万十川100kmマラソンで2千人ほどが秋の四万十路を走り抜けました。皆偉いなあ感心です。さあ7日に向け、お唄と常一さんの勉強の追い込みで、緊張してきました。当日は汽車で双海入りします。