○漏水修理工事
「若松さん、あなたの家の水道メーターを取りつけた時、どこも水を出していないのにメーターが回っています。漏水かも知れませんので一度調べたほうがいいですよ」と、知人の水道屋さんが私に耳打ちしてくれたのはもう3ヶ月も前のことでした。そういえば最近「水道の使用量が多いなあ」と思っていたので、「済みませんがお暇なときに調べてくれませんか」と頼み、「そのうちに」という返事でした。
時々その方に会う度に思い出すのですがすっかり忘れていました。ところが先週になって漏水調査をしたようで、ある程度漏水箇所を突き止めたので工事をしたい旨の電話連絡があり、私の在宅を選んで昨日の午後
水道屋さんはやって来ました。
馴染みの顔の二人の従業員さんは目当ての場所のコンクりートをカッターで切り削岩機で掘り始めました。何せ目に見えない地中のことなので一度で掘り当てることはできないだろうと、掘る方も見ている方も半信半疑でしたが、二ヶ所目に水の吹き出し口が見つかり、余分に掘った場所から水がかなり勢いよく噴出していました。
(漏水個所は土台のすぐ横でした)
わが家が新築したのは昭和52年です。前年総理府派遣青年の船に乗船しアメリカへ行ったのでよく覚えていて、築34年が経過しているのです。家は30年も住んでいるとあちこちに傷みが出て、その都度修理をしていますが、わが家は古民家ほどではなくてもかなり大きな家なので、修理も半端ではなくその都度臨時出費がかさむのです。でもこれは家を守るために必要な宿命みたいなものなので、早め早めこまめこまめをモットーにやっています。
やがて元栓を閉めて修理も終わり、埋め戻し作業をしてから元栓を開けましたが、どうももう一ヶ所漏水個所があるようで、ボイラーの温水器辺りからの配水パイプのようだと分りましたが、夕方になって結局は時間切れとなってしまいました。仕方なく工事を中断し水道屋さんは今日も来るからと言い残し引き揚げて行きました。
30年も前の建物なので工事用の図面なども残っていなくて、今後もこのようなハプニングが起こるものと思われますが、私と同じく老域を迎えつつある建物だけに気を引き締めて守って行きたいと意を新たにしました。
さてこの家も息子家族と同居する話が持ち上がっています。かつては子ども四人が占拠していた二階の4部屋は子どもたちが自立して家を出たため空き部屋となっているので、息子家族が帰ろうと思えば直ぐにでも入居可能なのですが、同居といっても台所などを考えなければならず、改造を余儀なくされそうです。息子嫁も同居を理解しているようですが、生活の場を変えることは容易なことではありません。ましてや隠居に暮らしている親父を含めると三世代同居となるのですから、お互いの暮らしを侵さないようにもしなければならないのです。
息子夫婦も安い月給で高い家賃を払ってマンションに住んで、子ども二人を養うことの大変さが少し重荷になっているような雲行きで、同居の決意を固めているようです。これからは息子たち第一、私たち第二を心掛けて行きたいと決意していますが、はてさてどうなることでしょう。
「漏水の 箇所が見つかり 修理する 新た漏水 見つかりう~ん」
「三十年 過ぎるとあっち こっちでも 傷み始めて 思わぬ出費」
「目に見えぬ 地中の傷み 探し当て まるで温泉 掘り当てたよう」
「息子たち 同居の決意 固めたが それなり家を 改築せねば」