○今日は海を渡って海外旅行?
私が代表を務めるえひめ地域づくり研究会議では年に1回修学旅行のような研修を行って、県外の方々と交流を深めています。そもそものきっかけは西瀬戸交流事業や豊予海峡交流事業などの助成事業があって、それに便乗すれば安上がりな交流が出来ると悪乗りしたのです。でも結果的にはこの事業を通して島根県、山口県、福岡県、大分県と領域を広げて深い交流になったのですから嬉しい限りです。
豊予海峡圏地域づくり交流事業と銘打った今回の目的地は大分県臼杵・佐伯です。大分といえば由布院や黒川温泉が地域づくりの先進事例として注目を集め、大分県の南部に位置する臼杵や佐伯は高速道路の遅れからどちらかというと私たちの視界の外にありましたが、今回の研修を通じてむしろこれからは臼杵や佐伯が面白いと再認識しました。
今回の研修には年度末の早朝出発にもかかわらず12名が参加をしました。それぞれの地域から八幡浜に集結し、突風吹き荒れる豊予海峡をフェリーで渡りました。昨年渡った三崎~佐賀関ルートは強風高波のため欠航と聞き、強運を喜びましたが、大型フェリーといいながら豊予海峡は大荒れで外洋性の強い場所では少しの間揺れましたが、全員船酔いもなく無事臼杵の港に到着しました。丁度10日前に宮崎へ行く途中夜間ながら立ち寄った場所なので何処か馴れた感じがしました。
午前中は臼杵市立図書館で開かれている第5回まちづくりセミナーに参加しました。臼杵には臼杵歴史景観を守る会、臼杵デザイン会議、臼杵伝統建築研究会、うすき竹宵、臼杵ツーリズム研究会、ふるさと風の映画学校実行委員会などが活動しており、佐賀大学準教授の三島先生の司会で議論が行われている最中でした。
(全国建築士連合会まちづくりセミナー)
その後ポルト蔵という蔵を利用したレストランで食事をとった後臼杵歴史景観を守る会斉藤会長さんたちの案内で講義を聞きながらまち歩きしました。何年か前に来た時とは随分違ったまちづくりの姿に感嘆しながら、関わって来られた人々の思いと苦労を垣間見ました。
カメラ散歩をしてみました。
(最初に見学した古民家、庭の金木犀の古木や裏庭の石垣にに目を見張りました)
(コンクリートもこのように木で隠せば町並みや景観にマッチする工夫を凝らした一品です)
(高台の民家から見える臼杵の町並み)
(古民家を再生した事例見学、中二階に改造して素敵でした)
(私の理想とする書斎がありました。学校の先生らしく道具類に凝っていました。窓越しの風景も見事でした)
(熱っぽく語る斉藤さんの話に苦労を垣間見ました)
(蔵を利用した紙雛の展示、趣きがあります)
臼杵の町は城下町だけあって商家も多く、奥行きの深い趣きを堪能させてもらいました。今度はゆっくり独り歩きをしたいものです。
「そこここに 苦労の跡を 垣間見る 誰か動かば 町は残らず」
「友人の 紹介あれば こそ見える そこここ訪ね 感嘆しきり」
「今もなお 消え行く運命 引き戻し 必死に生きる 人たちありて」
「蔵の中 先人たちが 生きてきた 暮しの重み 空気で感じ」