shin-1さんの日記

○久しぶりの早起き清掃

 この3日程寒波の影響で双海の海は大荒れです。海が荒れると漁師さんが漁に出れない、漁に出れないと魚が獲れない、魚が獲れないとじゃこ天の材料が揃わなくて漁協女性部のおばちゃんが困ると、まあこんな風に海に関わる人たちの暮らしは連動しているのです。もうひとつ海が荒れて連動する社会があります。海が荒れるとあの美しい人工の砂浜に大量のゴミが漂着します。このゴミはこの場所が終着駅ですのでほって置くと砂の下に潜り込んで後の作業が困難となります。故に寒かろうが波が荒かろうが除去作業をしなければなりません。私はこのゴミと毎日12年間も早朝4時から格闘を続けました。しかも最初の3年間は非現代的な一輪車リヤカーと熊手で挑戦しました。後に宝くじ協会からの助成で優れもののトップカーを購入しましたが、この12年を振り返るとよくもまあ続いたものだとわれながら感心します。

 今朝は5度前後に下がった寒い強風吹きすさぶ朝です。「さあどんな風でもやって来い」といわんばかりの厚着をして、朝4時過ぎシーサイド公園に出掛けました。人も犬もいない砂浜に出ると、怖くなるほどの大量のゴミが私を待ち受けていました。多分誰が見ても「こりゃあ無理だわ」と思われる程の量です。こんな場合昔はよく助け舟が来ました。役場の職員でした。しかし合併してからは知ってか知らずでか今は見向きもしません。とりあえず自分の体力にあったゴミを片付け始めたのですが、役場の雇っている掃除のおじさんがやって来て「ありがとう。助かります」と声を掛けてくれましたが、その声は力なく強風にかき消されそうでした。早朝から僅か3時間の短い時間でしたがカッパは潮風で濡れ、カッパの内側には苦闘の汗が滲んでいました。

 「朝は朝星夜は夜星昼は梅干し身は日干し」なんて言葉がありますが、私のシーサイド格闘物語はまさに身体を張った汗の努力そのものだったように思います。何年か前私は国土交通省の「観光カリスマ百選」という称号を贈られました。その頃は内閣府が所管でカリスマにふさわしいか仰々しくも2、3人の担当者が東京から事前調査にやって来ました。私の称号は「真似しない真似できない発想で地域をリードする観光カリスマ」です。百人の中で唯一掃除でカリスマに選ばれたといっても過言ではないでしょう。でもそれが私の誇りなのです。ややもすると観光は格好いい姿を連想しますが、その裏には実は多くの苦労が隠されているのです。

  「えっ掃除そんなもので選ばれる観光カリスマしれたものだわ」

  「ある人が陰徳いつか実になると教えてくれたはいそのとおり」

  「拾わないゴミは消えない黙々と拾った後のすがすがしさよ」

  「このゴミをエネルギーすりゃ儲かるぞそんな想いが知恵を生むんだ」

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