人間牧場

〇わが家の世代交代(その②)

 最近息子が、私のパソコンを何かにつけていじくるのです。別に秘密があるわけでもないし、見られても平気なのですが、息子は私の机の下に自分で造った木の箱を置き、そこへ私のパソコンの電源を差し込んでいるのです。箱の蓋を開けてみるとバッテリーとコンバーターが入っていました。つまりバッテリーに充電した電源をコンバーターで100ボルトにして、私のパソコンの電力をバッテリーで賄おうというのです。私は自分のパソコンがどの程度電力を消費しているのか、まったく知らないのですが、息子から漏れ聞く話によるとパソコンの電力使用料も、結構馬鹿にならないとのことでした。

 

息子が手造りしたパソコン電源用の木製ボックス
息子が手造りしたパソコン電源用の木製ボックス

 私たち親子は2年前同居を始めるにあたって、不可侵と協働の約束をしました。同じ家に住んでいると長い月日には、気に入らないことも沢山あるのです。そこで考えたのは食べ物と住む場所は別という不可侵条約でした。お陰様で私たちも好きなものを食べ、好きなテレビ番組を見て何不自由なく暮らしているのですが、時々孫たちが私たちの居間で遊んで汚したり、私たちのトイレを頻繁に利用したり、テレビを占拠されたりもしますが、まあこれはいざこざの原因になるほどではなく、むしろ息子は同居して二年になりますが、私たちの使っているトイレや水周りを、定期的に掃除をして清潔に保ってくれているのです。
 同居を始めるにあたって灯油代と電気代をどうするか相談しました、別々の個メータをつけるのも面倒くさく、家賃を出さない代わりに灯油代は私たち、電気代は全て息子たちが払うになりました。お陰様で電気をつけっぱなしにして、「勿体ない」と思うストレスもなく自由に電気を使っているのです。

 ところが4世代が住んでいると電気代も馬鹿にならず、息子は口にこそ出しませんが、少し不満があるようです。そんなこともあって、エアコンをつけっぱなしにすると勿体ない、パソコンの電源を入れっぱなしにすると勿体ないと、何かにつけて言い寄ってきますが、してやったりの心境です。
 息子は車庫の家の屋上で、自分が買って来たソーラーパネルを自分で組み立て、ソーラー発電を実験的にやっています。既に自分のダイニングのテレビの電源はバッテリーで見ているし、次は私のパソコンの電源をバッテリーにすると意気込んでいるのです。

 まだ私のパソコンの電源確保は実験の域にしか達せず、時々電源がなくなって、アラームが鳴ったりするハプニングもありますが、まあ何とか息子の思いに応えようと思い、最近はアラームがなって電源を切り替えたりしながら不便な暮らしをしているのです。
 息子の夢は何処か陽のよく当る場所を確保して、ソーラー発電をしたいと思っているようですが、投資金額と自己資金の金額が余りにもかけ離れていて、夢は萎んでいるようです。発電した余剰電気を全量買い取ってくれる今がチャンスだと思っているようですが、はてさてどういう方向へ行くのでしょう。何はともあれ安月給の息子も、折り返しが近づいた自分の人生をどう自立して生きるべきか考え始めたようです。

  「人生の 折り返し時期 近づいた 息子色々 悶々の日々」

  「電気代 息子が払う 決め事に 今頃気付く 事の重さを」

  「あれほどに 電気も消さず 過ごしたに 今はいちいち 電気を消せと」

  「夢あるが 金がなくって 尻つぼみ これも人生 だから人生」 

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