人間牧場

〇同じ敷地内に住みながら

 わが家は親父・私たち夫婦・息子夫婦・孫二人と、今時珍しい大家族なのです。同じ敷地内にある別棟隠居に住む、94歳の親父を除けば、後の六人は同じ屋根の下に住んでいますが、息子家族とは食事も別だし、建築設計の仕事をしている息子等は、帰宅も深夜になることが殆どで、同じ屋根の下に住んでいるといいながら、顔をあわせるのは朝飯頃だけなのです。

 最近孫たちが、通う保育園から頻繁に風邪を貰って来るものですから、極力孫に近づかないよう注意をされていましたが、ついに私にうつってしまいました。この4~5日は逆に孫たちが私に接触することを極力避けているため、孫たちとの接触は朝のあいさつと風呂に入って二階に上がる時「お休みなさい」というあいさつ程度で、怪獣ごっこや雑談さえもできず、育爺の出番などどこにもないのです。ああ嘆かわしや大家族といったところです。

 そんなこともあって、親父にだけは命取りになりかねない風邪をうつしてはいけないと、家族全員が気を使っているため、親父と接触するのは唯一、夕食を作って運んでいる妻だけなのです。そのことが気になるのか親父は妻に、「進一はどうしているのか」とか一心は昨晩も帰りが遅かったようだが」とか盛んに消息を聞いているようですが、「「進一さんも風邪を引いているので、爺ちゃんにうつしたら大変と、隠居へ来るのを遠慮している」と、説明はしているものの、私の顔が見えないのはやはり寂しいようでした。

 家族とは、親子とは、夫婦とは、一家団欒とは、風邪を引いたこの4~5日養生しながら色々なことを考えさせられました。早く風邪を治して親父の隠居へ顔を出し、話し相手になってやらねばと思いを新たにしました。今日は少し気分が快方に向かい身体も軽くなったようなので、余り無理をしない程度のウォーキングをやってみました。今日から伊予路に春を呼ぶといわれる椿さんも始まったようで、道沿いの斜面にはユリ根の新芽が幾つも顔を覗かせていました。もうすぐ春ですね。

  「大家族 同じ敷地に 住みながら 暮らし別々 出会い少なく」

  「一週間 親父の顔を 見ないため 親父気がかり 私気がかり」

  「年寄りにゃ 風邪と骨折 命取り 本人わきまえ 近寄るべからず」

  「春を呼ぶ 椿祭りも 始まって 道沿い斜面 ユリ根新芽を」

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