人間牧場

〇立派なカサブランカの花が届きました

 一昨日外出先から帰ってみると、玄関先に縦長の段ボール箱が宅配便で届いていました。毎年のように届くこの荷物の送り主は、東京から遥か沖合に浮かぶ伊豆諸島三宅島に住む佐久間さんからでした。早速妻と一緒に段ボール箱を開けると、カサブランカの立派な花が蕾を閉じたまま沢山出てきました。家族全員を巻き込んでその立派な花を活けるに相応しい、少し大きめの花器を二つ用意し、水を入れて早速玄関先に活けました。

玄関に飾った三宅島のカサブランカ

 開きかけたた蕾からはカサブランカの花独特の香りが漂い始め、何とも言えない雰囲気でした。古い人間なので演歌歌手鳥羽一郎の「カサブランカ」という歌を思い出し、下手糞ながらハーモニカで吹いてみましたが、そんな歌など知らない家族から余りいい反応は返って来ませんでした。送られたカサブランカの花は格調高く、わが家の玄関先で異彩を放っていますが、妻の言うように送ってくれた佐久間さんにはお礼の言葉もない程感謝せずにはいられません。

 当時三宅島村の議会議員をしていた佐久間さんとの出会いは、東京有楽町駅前にあるフォーラムAという、立派な国際会議場で開かれた全国町村監査委員研修会でした。私が記念講演をした話がきっかけで、東京都の町村監査員研修会や、三宅島での研修会に相次いで招かれ、すっかり気ごころを許す間柄になったのです。以来遠来の友故、頻繁な音信や出会いはなくなりましたが、三宅島産赤里芋が届いたり、有難い交遊が続いています。

 三宅島は火山の爆発によって全島避難という長くてつらい島外での避難生活を余儀なくされた島です。私が講演で訪ねた時も、まだ立ち入り禁止区域などがありその爪痕を残していましたが、特別許可を受けてあちこちを案内してもらったことは、生涯忘れられない思い出です。偶然にも亡くなった私の親父が県外出漁で、三宅島付近まで出漁したり、私も水産高校の実習船愛媛丸で付近を航行した経験があるだけに、思いを寄せる離島の一つです。佐久間さん今年も立派なカサブランカの花をありがとうございました。

 「今年も 三宅島から 宅配が 箱の中から カサブランカが」

 「玄関で 花の匂いに 誘われて 下手糞ながら ハーモニカ吹く」

 「今頃は どうしているか 三宅島 友人音信 花に託して」

 「今は亡き 親父と私 伊豆諸島 付近航行 思い出浮かぶ」

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