人間牧場

〇わが家の農作業道具考

 私の家には親父の趣味が多彩なため、色々な道具類が取り揃えています。中には100Vながら鉄を削る中国製の旋盤まであって、庭の隅に親父が建てた小さな倉庫には、所狭しと道具類が置かれています。親父は綺麗好きで几帳面なため、それらの道具類を整理整頓していますが、親父に比べれば私は息子ながら、どちらかというと反対の気風で、道具を使えば使いっぱなしで整理整頓ができず、若い頃から親父に「使ったら元の場所へ戻せ」と口癖のように叱られてばかりでした。「痩せは直っても癖は治らない」の諺どおり、私68歳、親父94歳なった今でも、時々親父から注意を受ける始末です。それでも親父の注意やお叱りが頭にこびりついていて、最近は随分片付けが上手くなったと自画自賛しているのです。

 昨日の昼、先日年輪塾で出かけた高知県四万十市からの帰路、道の駅みまに立ち寄った際、ネギの苗を二束買い求めて帰りましたが、ネギに加えホウレンソウの種を蒔くため三つ鍬で畑を耕し、畝を立てようと平鍬を探しましたがどうしても見つかりませんでした。親父に聞いても使わないので知らないと、そっけない返事です。仕方がないので少し広めの地掘り鍬で代用して畝を立て、ネギの苗もホウレンソウの種も無事植えつけることができました。
 「巾鍬は一体どこで使ったのか」と気になって、記憶を辿りながら思い起こせば、先週人間牧場でサツマイモ畑を耕運機で中耕して、マルチをかけた際、家から持参した巾鍬を使ったことに辿り着きました。

母の代から50年以上にわたって使っている平鍬と三つ鍬

母の代から50年以上にわたって使っているわが家の平鍬と三つ鍬

 昨日は21日、お地蔵さんの縁日のお接待のため、妻が炊いた赤飯を知人友人、近所に配った折、足を伸ばして人間牧場へ行って見ると、玄関先に無造作に巾鍬が置かれていました。要は置き忘れていただけのことでした。親父に見つかると始末が悪いと言われそうなので、とりあえず軽四トラックに積み込んでわが家まで持ち帰り、鍬類の置いてある場所へ戻しました。
 わが家には家庭菜園での農作業用に幾つもの作業方法によって、使い分ける鍬類が沢山ありますが、私がよく使うのは13年前に亡くなった母が、愛用していたものが殆どなのです。とりわけ三つ鍬と平鍬は土に打ち込む角度といい使い勝手といい私にピッタリで、農作業でこれらの鍬類を使う度に、母の手のぬくもりが蘇ってくるのです。
 鉄類は使えば使うほど光り輝きますが、三つ鍬も平鍬も親子二代半世紀50年に渡る長年の農作業で、そろそろ暇を出したいほど鉄が痩せてきました。下灘の宮内周蔵さんという鍛冶屋さんが手打ちした道具は、まさに「いい仕事してますね」と誉めてあげたい道具なのです。

  「平鍬が ないといっては 大騒ぎ 使い忘れて 親父に叱られ」

  「半世紀 親子二代が 使ってる 地元の鍛冶屋 打ちし鍬持つ」

  「道具類 大事に使えば 元以上 錆びることなく 黒光りする」

  「使ったら 元に戻せと 口癖の ように指導の 言葉未だに」

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